GEO対策の費用相場は、大きく3つの型に分かれます。AI検索での見え方を測るだけのモニタリングツールなら月1万〜5万円前後、診断から記事制作・改善までを外部に任せる代行型なら月10万〜30万円前後、自社で仕組みを作る内製なら実費(API利用料)は月数千円から、というのが2026年9月時点の実感です。
ただし、この3つは同じものを買っているわけではありません。何にいくら払うのかを取り違えたまま見積書を比べても、高いか安いかは判断できません。
この記事では、3つの型それぞれの内訳と、自社サイトを60日・1,776回観測して実際にかかった費用を公開します。あわせて、Googleが公式に「やらなくていい」と明言している施策——つまりお金を払う必要がない部分——も整理します。
記事執筆者:認定SEOコンサルタント 三田健司
GEO対策の費用相場を「3つの型」で整理する

GEO(Generative Engine Optimization=ChatGPTやGoogle AI Overviewsなどの生成AI検索で自社が引用・言及されるようにする取り組み)の費用は、サービスによって桁が変わります。同じ「GEO対策」という名前でも、売っているものが違うからです。
まず、3つの型に分けて全体像をつかんでください。
型A・型B・型Cの費用と中身
| 型 | 費用の目安(月額) | 買っているもの |
|---|---|---|
| 型A:モニタリングツール | 1万〜5万円前後 | AI検索での見え方の可視化(数値・推移) |
| 型B:代行・コンサル | 10万〜30万円前後 | 診断+記事制作+サイト改善+報告 |
| 型C:内製 | 実費数千円+自社の工数 | 仕組みそのもの(自分で作る) |
型Aは「測るだけ」、型Bは「測って直すところまで」、型Cは「自分で測って自分で直す」です。型Aを買っても記事は増えませんし、型Cを選んでも工数はゼロになりません。
見積書を比べるときは、まず相手がどの型なのかを確認してください。型が違うものの金額を並べても意味がありません。
日本国内で公開されている相場のばらつき
国内のGEO・LLMO関連サービスの公開情報を見ると、初期費用10万〜50万円、月額3万〜30万円という記載が目立ちます。一方で、複数サービス・複数キーワードを横断的に扱う包括支援では月額50万円を超える例も紹介されています。
幅が10倍以上あるのは、市場が新しくて標準的な作業範囲が固まっていないからです。相場表を見て安心するのではなく、その金額で何回・何設問・何AIを測るのかを聞くほうが確実です。
型A:GEOモニタリングツールの費用はどう決まるか

AI検索での露出を可視化するツールは、2026年に入って急速に増えました。海外製が中心で、日本語の設問にも対応するものが出てきています。
価格は「設問数」でほぼ決まる
海外の代表的なツールの公開価格を見ると、エントリープランで月95ドル前後・追跡設問50個、中位プランで月245ドル前後・設問150個という構成が典型です。上位プランになると月499ドル以上、それ以上は問い合わせ前提という設計が多く見られます。
つまり値段を決めているのは「何個の質問を、何個のAIに、毎日いくつ投げるか」です。これは考えてみれば当然で、AIに質問を投げるたびにAPI利用料がかかるからです。
ですから「安いプランで足りるか」の判断基準も、値引き交渉ではなく設問数になります。地域密着の1事業で10設問なら最小プランで足りますし、全国・複数事業部なら100設問でも足りません。
ツール費用に含まれていないもの
モニタリングツールの料金には、記事制作もサイト改修も含まれていません。ダッシュボードを開くと数値は出ますが、その数値をどう読んで何をするかは自社の仕事です。
社内にWeb担当者がいて、レポートを見て手を動かせる体制があるなら型Aで十分です。逆に「数値は出たが誰も読まない」状態になりそうなら、ツール費用は丸ごと無駄になります。
なお、これはAccessGEOにも当てはまる話です。当社のサービスは月次でレポートと所見をお送りする形ですが、サイト側の改修そのものは別途のご依頼になりますし、観測対象のAIも3種類に限っています。
型B:代行・コンサルの費用と、見積書で確認すべきこと

診断から改善実行まで任せる型Bは、中小企業では月10万〜30万円あたりが現実的な帯になります。この予算があれば、現状診断・競合調査・記事制作・既存ページ改善を組み合わせやすい、というのが各社の公開情報の共通認識です。
見積書で必ず聞く5項目
金額の妥当性は、次の5つを埋めてもらえば判断できます。埋まらない見積書は、高いか安いか以前に比較できません。
- 対象AIはどれか(ChatGPT・Gemini・Google AI Overviews・Perplexityなど、何種類か)
- 設問は何個で、誰が決めるのか
- 観測頻度は毎日か、月1回か
- 記事制作は月何本で、誰が書くのか
- サイト改修の実装まで含むのか、指示書までか
特に3番目の観測頻度は金額差に直結します。月1回の測定と毎日の測定では、かかるAPI費用も工数も30倍違うからです。
費用が上がるのはどういうときか
費用が跳ね上がるのは、対象が広いときです。サービスが複数ある、拠点が複数ある、BtoBとBtoCの両方を持っている、といった場合は設問数がそのまま増えます。
逆に、単一サービス・単一エリアの事業なら設問は10前後で足ります。中小企業の多くはこちら側なので、大企業向けの相場表をそのまま当てはめる必要はありません。
型C:内製したら実際いくらかかったか(自社の実コスト)

ここからは相場の話ではなく、当社が自社サイトで実際に払っている金額です。AccessGEOでは自社サイト(株式会社アクセス・リンク)を観測対象のひとつとして毎日測り続けています。
API実費は60日で17.26ドルだった
観測期間2026年7月4日〜9月7日の60日間、観測回数1,776回(10設問×3ソース×日次)でかかったAPI実費は、合計17.26ドルでした。内訳はOpenAIが14.41ドル、Google AI Overviews取得用のAPIが2.85ドル、Geminiが0ドルです。
1日あたり約0.29ドル、1ドル150円で換算すると約43円です。月額に直すと1,300円前後で、10設問を3つのAIに毎日投げ続けられる計算になります。
この数字を見て「思ったより安い」と感じた方は多いと思います。実際、測ること自体の原価はそれほど高くありません。
見えていない費用は人件費のほう
では内製が圧倒的に得かというと、そう単純ではありません。この1,776回の観測を回すために、当社では取得スクリプトの実装、AIごとの応答形式の差の吸収、取得失敗日のリカバリ、集計とレポート生成の自動化を作り込んでいます。
実際、60日のうち複数日で取得が完全に失敗しており、その日のデータは欠測として扱っています。AI検索の取得は思ったより不安定で、放っておくと勝手に止まります。
ここにかかる工数を時給換算すれば、月1,300円のAPI費用は総コストのごく一部です。内製を選ぶなら、実費ではなく「誰が保守するのか」で判断してください。
毎日測らないと何が見えないのか
「月1回で十分では」という質問をよくいただきます。同じ60日間のデータを見ると、自社言及率は日次で16.7%から33.3%まで動いていました。
7日移動平均で見ると24.8%〜30.9%のレンジに収まりますが、単日だけを切り取れば「良かった日」にも「悪かった日」にも当たります。月1回の測定は、その1回がどちらだったか分からないまま報告書になるということです。
お金を払う前に、無料でできることを先に終わらせる

費用の話をする前に済ませておくべきことがあります。無料でできる範囲が思ったより広いからです。
Search Consoleの生成AIレポートは無料
Googleは2026年6月、Search Consoleに生成AI機能のパフォーマンスレポートを追加しました。AI OverviewsやAIモード経由での表示回数・クリック数を、Google自身のデータで確認できます。
Google検索セントラルの公式ガイドも、サードパーティ製ツールについて「Googleの内部のランキングデータにはアクセスできない」「パフォーマンスを保証できない」と明記したうえで、一次情報であるSearch Consoleの利用を強く推奨しています。無料の一次データを見ないまま有料ツールを契約するのは、順番が逆です。

自分で3つのAIに聞くのも無料
ChatGPT・Gemini・Google検索のAI Overviewsに、自社名や「〇〇市 業種 おすすめ」と入力してみるだけでも状況はつかめます。ここで一度も自社が出てこないなら、それが出発点です。
手作業の弱点は、続けられないことと、その日の結果が平均なのか外れ値なのか分からないことです。それでも、最初の1回としては十分に価値があります。
Google公式が「不要」と言っている施策に払わない
Google検索セントラルの生成AI最適化ガイドは、AI検索向けとして語られがちな施策のいくつかを名指しで不要としています。具体的には、llms.txtなどのAI専用ファイル、AIのためのコンテンツ細分化(チャンキング)、AI向けの書き換え、不自然な「言及」集め、構造化データの過度な作り込みです。
同ガイドは、AI検索向けの特別なschema.orgマークアップは必要なく、既存のSEOの基本がそのまま有効だとも述べています。見積書にこれらが高額な項目として並んでいたら、その根拠を確認する価値があります。

なお、これはGoogle検索についての記述です。ChatGPTやPerplexityなど他社のAIが同じ扱いをするとは限らない点は、補足として押さえておいてください。
予算別・現実的な始め方

ここまでを踏まえて、予算帯ごとの進め方を整理します。いきなり上の帯から始める必要はありません。
月0円:現状把握だけする
Search Consoleの生成AIレポートを見て、自分で3つのAIに10問ほど聞いてスプレッドシートに記録します。これを月1回、3か月続ければ大まかな傾向はつかめます。
この段階で自社が全く出てこない設問が見つかったら、そこが改善の入口です。お金をかけるかどうかは、その中身を見てから決められます。
月1万〜5万円:測定を自動化する
手作業が続かないと分かった時点で、モニタリングを外に出す判断が出てきます。この帯で買えるのは数値と推移であって、改善作業そのものではありません。
社内に記事を書ける人がいるなら、この組み合わせが費用対効果としては良くなりやすい構成です。
月10万円以上:制作とセットで任せる
社内に手を動かせる人がいない場合は、記事制作とサイト改修を含む型Bになります。この帯では、月何本書くのかが実質的な単価を決めます。
月20万円で記事2本なら1本10万円、月20万円で記事6本なら1本3万円強です。モニタリング部分の金額ではなく、制作本数で割ってみると比較しやすくなります。
費用対効果は「受注1件」から逆算する

GEO対策の費用が高いか安いかは、相場との比較では決まりません。自社の受注1件あたりの粗利から逆算するほうが実務的です。
年間何件で元が取れるかを先に出す
受注1件の粗利が30万円の事業なら、月3万円のツール費用は年36万円なので、年に2件増えれば回収できます。粗利が3万円の事業なら年12件必要で、難易度がまったく変わります。
この計算を先にしておくと、「いくらまでなら払えるか」が自分で決まります。見積書を見てから悩むより、先に上限を持っておくほうが交渉も早く済みます。
短期で効果を判定しない
先ほどの自社データのとおり、AI検索での言及率は日単位で大きく揺れます。1か月やってみて数値が下がったからといって、施策が失敗したとは言えません。
最低でも3か月、できれば半年の移動平均で見る前提で予算を組んでください。3か月で判断する契約なら、その旨を最初に握っておくべきです。
よくある質問

GEO対策は月いくらから始められますか
測定だけなら0円から始められます。Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポートは無料ですし、各AIに直接質問するのも無料です。自動化されたモニタリングを入れる場合は月1万円台からが目安になります。
高いサービスのほうがAIに出やすくなりますか
金額とAIでの露出は直接は連動しません。Google検索セントラルは、サードパーティ製ツールについて「使ったからといってランキングの成功が保証されるわけではない」と明記しています。高い費用で買えるのは作業量と体制であって、結果そのものではありません。
内製と外注、どちらが安く済みますか
API実費だけを見れば内製が圧倒的に安く、当社の実測では60日1,776回で17.26ドルでした。ただし取得の失敗対応や集計の保守に工数がかかるため、担当者を置けるかどうかが分かれ目になります。人を1人張り付けるくらいなら、外注のほうが総額で安くなるケースは珍しくありません。
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まとめ

GEO対策の費用相場は、モニタリングのみなら月1万〜5万円前後、記事制作と改善まで含む代行なら月10万〜30万円前後が中小企業の現実的な帯です。内製のAPI実費は当社の実測(2026年7月4日〜9月7日・60日・1,776回)で17.26ドル、1日あたり約0.29ドルでした。
実費が安いからといって内製が得とは限りません。取得の失敗対応と集計の保守に工数がかかるため、誰が保守するのかで判断してください。
そして、お金をかける前にSearch Consoleの生成AIレポートを見ることと、Googleが公式に不要としている施策に払わないこと。この2つを押さえるだけで、最初の見積書の読み方は変わります。
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