2026年10月のAI検索の月次レポートです。結論から書くと、10月の自社言及率は27.7%(26日・780観測)で、9月の28.0%(29日・870観測)からほぼ動きませんでした。
ただし中身は動いています。Google AI Overviews(Google検索の上に出るAIによる概要)が出ない日が増え、社名をたずねる質問の率と、リンク付きで紹介される割合が下がりました。
この記事では、当社が毎日続けている観測の10月分を、前月と比べる形でそのまま公開します。あわせて、自社で月次レポートを作るときに毎月見る7つの数字と、前月比を読むときの誤差の目安も説明します。
記事執筆者:認定SEOコンサルタント 三田健司
先に結論|10月の自社言及率は27.7%で前月とほぼ同じ、動いたのは中身

10月の要点は4つ
10月の数字を一言でまとめると「全体は横ばい、内訳は入れ替わり」です。要点は次の4つでした。
- 自社言及率は27.7%(216/780)。9月の28.0%(244/870)との差は0.3ポイントで、誤差の範囲
- AI Overviewsが表示されなかった割合が、9月の20.7%から10月は35.4%に上がった
- 社名をたずねる質問の言及率が93.1%から85.9%に下がった。原因はAI Overviewsが出なかった日の分
- 県域の質問では、ChatGPTで言及が増え、Geminiで減るという逆向きの動きが出た
7月から4か月並べても、全体は27〜28%
月ごとの自社言及率は、7月27.1%(211/780)、8月27.2%(214/787)、9月28.0%(244/870)、10月27.7%(216/780)でした。
4か月続けて27〜28%の間に収まっています。全体の率だけを見ていると「何も起きていない月」に見えますが、設問別・AI別に分けると変化が見えます。
4か月分の長い推移と、AI Overviewsの非表示が増えた件の詳しい分析は、昨日公開した120日のまとめに書きました。この記事は「10月の1か月を前月と比べる」月次レポートの形に絞ります。

観測の条件|10月は26日・780観測、10月1日〜5日は欠測

何を、どう測っているか
観測しているのは、当社(株式会社アクセス・リンク)に関係する10問の質問です。社名を直接たずねる指名の質問が1問、下野市・宇都宮市・栃木県など地域名がつく質問が4問、地域名のない一般的な質問が5問です。
これを、ChatGPT(OpenAIのAPI)、Gemini、Google AI Overviewsの3つに毎日1回ずつ聞き、回答の中に当社の社名が出たかを記録しています。
自社言及率とは、すべての回答のうち当社の社名が出た回答の割合です。競合の名前だけが出た回答は数えていません。
10月1日〜5日の5日分は記録がない
10月は1日から5日までの5日間、システムの停止で記録が残っていません。そのため10月の数字は、10月6日から31日までの26日分・780観測です。
9月も10日の1日分が欠けており、29日分・870観測です。欠けた日は推測で埋めず、観測できた日だけで計算しています。
月によって観測日数が違うため、前月と比べるときは回数ではなく率で比べます。月次レポートでは、観測日数と欠測日を毎回最初に書いておくと、読み違いを防げます。
10月の観測にかかった費用
10月の26日分のAPI利用料は約7.6ドルで、1日あたり約0.29ドルでした。質問を10問に絞っているため、毎日続けても費用は小さく抑えられます。
全体の前月比|27.7%と28.0%の差は「変化」ではなく「揺れ」

週別・前半後半で見ても動かない
10月を週ごとに分けると、10月6日〜11日が27.8%(50/180)、12日〜18日が27.6%(58/210)、19日〜25日が27.6%(58/210)、26日〜31日が27.8%(50/180)でした。
月の前半(6日〜18日)と後半(19日〜31日)も、どちらも27.7%(108/390)で同じです。日ごとに見ると23.3%〜33.3%(30回中7〜10回)の幅で上下していますが、週や月の単位にすると平らになります。
前月比を読むときの誤差の目安
観測数が780回で言及率が28%前後のとき、偶然の揺れだけで生じる幅は、おおよそ前後3ポイントです(統計でよく使う95%の目安で計算)。
2か月の差を比べる場合は、その幅がさらに広がり、前後4ポイント程度になります。9月と10月の差0.3ポイントは、この幅の中にすっぽり入るので「変化」とは言えません。
AI別(各260回)なら前後6ポイント前後、設問×AI別(各26回)なら前後20ポイント近くまで幅が広がります。分けるほど1回の重みが大きくなるので、細かく分けた数字ほど慎重に読みます。
なお、同じ質問を毎日聞いている観測は、厳密には毎回が独立したくじ引きではありません。ここでの幅は、差の大きさを判断するための目安として使ってください。
10月はGoogleのランキング更新が始まっていない月
Googleが公表している検索ステータスダッシュボードを見ると、10月中に始まったランキングの更新はありませんでした。9月24日に始まった9月のスパムアップデートが、約2週間かけて10月上旬まで続いていたのが近い出来事です。
全体の率に動きがなかったことと合わせると、10月はGoogle側の大きな変化を受けた月ではなかったと考えられます。ただし、AIの回答の変化はアップデートの発表とは関係なく起こるため、発表がないことは「何も変わっていない」証明にはなりません。
AI別の前月比|ChatGPTは上がり、GeminiとAI Overviewsは下がった

3つのAIの9月と10月
AI別の自社言及率は次のとおりです。
| AI | 9月(29日) | 10月(26日) | 差 |
|---|---|---|---|
| ChatGPT | 31.7%(92/290) | 34.2%(89/260) | +2.5ポイント |
| Gemini | 34.1%(99/290) | 31.9%(83/260) | −2.2ポイント |
| AI Overviews | 18.3%(53/290) | 16.9%(44/260) | −1.4ポイント |
| 3つの合計 | 28.0%(244/870) | 27.7%(216/780) | −0.3ポイント |
ChatGPTが上がり、GeminiとAI Overviewsが下がって、合計ではほぼ相殺されました。どれも前後6ポイントの目安の内側なので、単月の動きとしては「揺れ」の範囲です。
AI Overviewsは「出なかった日」が増えた
AI Overviewsだけは、別の見方が必要です。AI Overviewsは検索のたびに必ず出るものではなく、出ない検索では当社の名前が出ようがありません。
10月はAI Overviewsが表示されなかった割合が35.4%(260回中92回)で、9月の20.7%(290回中60回)から上がりました。表示された回だけで計算すると、自社言及率は9月23.0%(53/230)から10月26.2%(44/168)に上がっています。
Googleの公式ドキュメントも、AI Overviewsは通常の検索に役立つとシステムが判断したときだけ表示され、表示されないことも多いと説明しています。AI Overviewsの率が下がった月は、まず「表示されなかった回」がどれだけあったかを確かめます。
設問別の前月比|指名の質問が85.9%に下がったのは、AI Overviewsが出なかった日の分

10問の9月と10月
設問ごとの自社言及率を、9月と10月で並べました(各月とも3つのAIの合計)。
| 設問 | 9月 | 10月 |
|---|---|---|
| 社名の評判(指名) | 93.1%(81/87) | 85.9%(67/78) |
| 下野市のMEO・地図対策 | 87.4%(76/87) | 85.9%(67/78) |
| 下野市のホームページ制作 | 75.9%(66/87) | 75.6%(59/78) |
| 栃木県のSEOに強い制作会社 | 24.1%(21/87) | 29.5%(23/78) |
| 地域名のない5問と宇都宮市の1問 | 0%(0/522) | 0%(0/468) |
地域名のない一般的な質問と、宇都宮市の質問の合わせて6問は、10月も1度も当社の名前が出ませんでした。観測を始めた7月から4か月続けて0件です。
指名の質問はChatGPTとGeminiでは全日出ている
指名の質問(「株式会社アクセス・リンクの評判は?」)が93.1%から85.9%に下がった理由を、AI別に分けて確かめました。
ChatGPTとGeminiは、9月も10月も全日で当社の名前が出ています(10月は各26回中26回)。下がったのはAI Overviewsだけで、9月は29日中23日、10月は26日中15日でした。
さらに見ると、AI Overviewsが表示された日は9月も10月も全日で当社の名前が出ています。10月に名前が出なかった11日は、どれもAI Overviewsそのものが表示されなかった日でした。
つまり、社名の質問への答え方が悪くなったのではなく、AI Overviewsが出る回数が減ったことが数字に出ています。月次レポートで指名の率が下がったときは、このように「出なかった」のか「出たのに名前がなかった」のかを分けて書きます。

地域の質問は高いまま
下野市のMEO(Googleマップでの表示対策)とホームページ制作の2問は、10月もそれぞれ85.9%と75.6%で、高い水準のままでした。
MEOの質問では、ChatGPTで9月の29日中29日から10月は26日中24日へと、名前が出ない日が2日ありました。1か月で2回の違いは誤差の範囲ですが、11月も続くかを見ておく項目です。
県域の質問は逆向きに動いた|ChatGPTは2倍、Geminiは半分以下

栃木県のSEOの質問をAI別に分ける
「栃木県でSEOに強いホームページ制作会社は?」という県域の質問は、3つのAIの合計で9月24.1%から10月29.5%に上がりました。
AI別に分けると、動き方がまったく違います。
| AI | 9月 | 10月 |
|---|---|---|
| ChatGPT | 27.6%(8/29) | 61.5%(16/26) |
| Gemini | 44.8%(13/29) | 19.2%(5/26) |
| AI Overviews | 0%(0/29) | 7.7%(2/26) |
ChatGPTでは言及が2倍以上に増え、Geminiでは半分以下に減りました。AI Overviewsでは、観測を始めてから初めて当社の名前が出ています。
合計だけを見ると見落とす
合計の率は5ポイント上がっただけなので、合計しか見ていなければ「少し良くなった」で終わります。実際には、ChatGPTとGeminiで評価が入れ替わるような大きな動きが起きていました。
AIごとに参照する情報源や回答の作り方が違うため、同じ質問でも結果は別々に動きます。月次レポートでは、合計の率と並べて、AI別の内訳を必ず残しておきます。
1か月で結論を出さない
ここで「Geminiの対策が必要だ」とすぐに判断するのは早すぎます。各26回という小さな分母では、前後20ポイント近くの揺れが起こりうるからです。
2〜3か月同じ方向に動き続けたら、そのAIで当社がどう説明されているか、回答の文章を読んで原因を探します。単月の動きは「次の月に確かめる項目」としてメモしておくのが、月次レポートの使い方です。
名前は出てもリンクが減った|AI Overviewsのリンク付き言及が34.1%に

言及と引用は別の数字
AIの回答に社名が出ることを「言及」、当社サイトへのリンクが貼られることを「引用」と呼んで、別々に数えています。名前が出ても、リンクがなければ読者が直接サイトに来ることはできません。
10月に当社の名前が出た回答のうち、当社サイトのURLが出典に入っていた割合は、ChatGPTで91.0%(89回中81回)でした。9月の93.5%(92回中86回)とほぼ同じです。
AI Overviewsでは半分近くに減った
AI Overviewsでは、名前が出た回答のうちリンク付きだった割合が、9月の62.3%(53回中33回)から10月は34.1%(44回中15回)に下がりました。
設問別では、MEOの質問でリンク付きの割合が60.5%(76回中46回)から40.3%(67回中27回)に下がったのが目立ちます。名前は出ているのに、出典として当社サイトが選ばれる回が減っています。
Geminiは今の方法では数えられない
Geminiの回答の出典は、Googleの中継用のURLで記録されるため、当社サイトへのリンクかどうかをこの集計では判定できません。そのためGeminiは引用の数字から外しています。
自分で記録するときも、AIによって出典の出し方が違う点に注意してください。数えられないものを0%として扱うと、実態より悪く見えてしまいます。
自分で月次レポートを作る手順|毎月見る7つの数字

手順1:質問を決めて、毎日同じ形で記録する
まず、自社に関係する質問を5〜10問決めます。社名の質問、地域名+業種の質問、地域名のない業種の質問の3種類を混ぜると、強い所と弱い所が分かれて見えます。
ChatGPT・Gemini・Google検索で毎日同じ質問をし、日付・AI・質問・社名が出たか・自社サイトへのリンクがあったか・AIの概要が表示されたかを表計算ソフトに1行ずつ記録します。手作業なら、毎日は難しくても週に2〜3回、同じ曜日に続けるだけでも傾向はつかめます。
手順2:月末に7つの数字を出す
月末には、次の7つの数字を出して前月と並べます。
- 観測日数と観測数、欠測した日
- 全体の自社言及率
- AI別の自社言及率
- 設問別の自社言及率
- AI Overviewsが表示されなかった割合と、表示された回だけの言及率
- 言及のうち自社サイトへのリンクがあった割合(AI別)
- 1か月を通して1度も出なかった質問の数
数字にはかならず観測期間と観測数を添えます。「28%」だけでは、30回中の28%なのか、870回中の28%なのかが分からないからです。
手順3:変化か揺れかを判定して、来月の確認項目を書く
前月との差が、先ほどの誤差の目安より小さければ「揺れ」として扱い、対策は変えません。目安を超える差や、2〜3か月同じ方向に続く動きだけを「変化」として、回答の文章を読んで原因を探します。
最後に、来月確かめる項目を3つ以内で書いておきます。今月の当社なら「AI Overviewsの非表示率」「県域の質問のAI別の差」「MEOの質問のリンク付きの割合」の3つです。
四半期ごとに振り返る方法は、四半期レポートの読み方の記事でまとめています。
よくある質問

月次レポートは毎月作る必要がありますか
AIの回答は日ごとに揺れるため、1回だけの確認では変化と揺れを区別できません。月に1回、同じ形で数字を並べることで、はじめて「今月は動いた」と判断できるようになります。
人手が限られる場合は、毎月は全体とAI別の2つだけ、四半期ごとに7つすべてを見る形でもかまいません。
前月より言及率が下がったら、すぐに対策を変えるべきですか
差が誤差の目安の内側なら、対策を変える必要はありません。当社の10月のように、全体では0.3ポイントしか動かない月もあります。
下がったときは、まずAI Overviewsが表示されなかった回の増加など、測り方の側の理由がないかを確かめてください。
AI Overviewsが表示されないのは自社サイトの問題ですか
自社サイトの問題とは限りません。Googleの公式ドキュメントでは、AI Overviewsはシステムが役に立つと判断したときだけ表示され、表示に特別な最適化や構造化データは必要ないと説明されています。
表示されるかどうかはGoogle側の判断なので、月次レポートでは「表示されたか」と「表示されたときに名前が出たか」を分けて記録します。
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まとめ

10月の自社言及率は27.7%(26日・780観測)で、9月の28.0%(29日・870観測)とほぼ同じでした。差の0.3ポイントは、誤差の目安である前後4ポイントの内側です。
一方で内訳を見ると、AI Overviewsの非表示が35.4%に増え、それに引きずられて指名の質問の率とリンク付きの言及が下がりました。県域の質問では、ChatGPTとGeminiで逆向きの動きが出ています。
月次レポートは、全体の率を報告するためではなく、こうした内訳の動きを見つけて「来月確かめること」を決めるために作ります。11月は、AI Overviewsの非表示率、県域の質問のAI別の差、MEOの質問のリンク付きの割合の3つを見ていきます。
自社の数字を毎月そろえるのが難しい場合は、AccessGEOの無料診断で、3つのAIでの今の出方を確かめるところから始めてみてください。
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