AI Overviewsが出ない検索は、当社の観測では「増えた」とは言えませんでした。2026年7月4日〜9月30日の810観測(81日×10設問)で、非表示の割合は7月20.8%、8月23.5%、9月20.7%と横ばいでした。
ただし、全体が横ばいでも中身は一様ではありません。市名を含む「おすすめのホームページ制作会社」の2設問では非表示が6割近くに達し、それ以外の設問では1割前後でした。
この記事では、AccessGEOが自社サイトで続けている実測ログをもとに、非表示率の推移と偏り、見方の注意点、自分で確かめる手順をまとめます。数値は当社サイト1件の観測結果であり、他社の結果や今後の表示を保証するものではありません。
記事執筆者:認定SEOコンサルタント 三田健司
AI Overviewsが出ない検索は増えているのか|先に結論と「非表示」の意味

AI Overviewsとは、Google検索の結果の上部に、AIが作った要約が表示される機能のことです。検索のたびに必ず出るわけではなく、Googleがその検索ごとに表示するかどうかを判断しています。
「AI Overviewsが出ない検索が増えた」という話を聞いて、自社の集客に影響があるのか気になる方も多いと思います。そこで当社の観測ログから、出なかった割合の推移を集計しました。
先に結論|82日の実測では増加は確認できなかった
Google AI Overviews側の観測は、2026年7月4日〜9月30日の810件です。そのうちAI Overviewsが確認できなかったのは175件で、非表示率は21.6%(175/810)でした。
月別に見ると、非表示率は7月20.8%(54/260)、8月23.5%(61/260)、9月20.7%(60/290)で、一方向に増えていく動きは見られませんでした。この程度の差は、観測数から考えて誤差の範囲に収まります。
この記事でいう「非表示」とは何か
本記事の非表示とは、検索結果を取得するツール(SERP API)で、その検索結果にAI Overviewsのブロックが含まれなかった観測を指します。実際のユーザーの画面とは、地域・端末・ログイン状態の違いで一致しない場合があります。
また、非表示の検索でも、ChatGPTやGeminiのような別のAIは回答しています。AI Overviewsが出ないことと、AIに紹介されないことは別の話なので、後半で整理します。
なお、観測対象は当社の10設問です。宇都宮市・下野市周辺でホームページ制作会社を探す、という実際の見込み客の検索を想定して設計しており、すべての業種や地域に当てはまる数字ではありません。
全体の非表示率は21.6%|月別・週別の推移を見る
月別は20.8%→23.5%→20.7%でほぼ横ばい
観測は1日1回、10設問ずつ行っています。月ごとの観測数は、7月260件、8月260件、9月290件で、欠測日があるため月によって少し違います。
たとえば260件の月で非表示率が21%前後のとき、偶然による振れ幅はおよそ±5ポイント程度あります。7月と9月の差は0.1ポイント、8月との差も2〜3ポイントなので、増えた・減ったと言える根拠にはなりません。
週別では15.7〜30.0%の範囲で動いた
週ごとに集計すると、観測数が60件以上あった11週では、非表示率は15.7〜30.0%の範囲で上下しました。1週間の観測数は60〜70件程度なので、数ポイントの違いは日々の揺れに含まれます。
AIの回答が毎日変わる点は、別記事で扱っています。「先週より非表示が増えた」と感じても、この幅の内側であれば、まだ変化とは呼べません。
非表示は設問によって偏る|市名つきの質問では6割近くが出なかった
全体の21.6%という数字は、設問ごとの違いを平均で隠しています。10設問に分けて集計すると、非表示の出方は大きく二つに分かれました。
これは、前回の四半期レポートの記事で触れた「平均値が内訳を隠す」という話と同じ構造です。AI Overviewsの非表示率でも、全体の数字だけでは判断を誤ります。
「市名+おすすめのホームページ制作会社」の2設問が突出した
「下野市でおすすめのホームページ制作会社は?」と「宇都宮市でおすすめのホームページ制作会社は?」の2設問では、非表示率は58.6%(95/162)でした。内訳は下野市が59.3%(48/81)、宇都宮市が58.0%(47/81)です。
同じ期間のそれ以外の8設問は、非表示率が12.3%(80/648)にとどまりました。市名を入れて、おすすめの会社を探す質問のほうが、AI Overviewsの出ない割合が明らかに高い結果です。
月別に分けると、地域質問は上昇・それ以外は低下だった
この2設問の非表示率は、7月48.1%(25/52)、8月61.5%(32/52)、9月65.5%(38/58)と上がっていました。それ以外の8設問は、7月13.9%(29/208)、8月13.9%(29/208)、9月9.5%(22/232)でした。
つまり、全体の横ばいは「上がった設問」と「下がった設問」が打ち消し合った結果だった可能性があります。ただし、地域質問は2設問で月50件台の観測なので、上昇傾向と断定せず、今後も追う材料として扱っています。
市名が入っていても一律ではなかった
「下野市でMEO・地図対策に強い会社は?」にも市名は入っていますが、非表示率は18.5%(15/81)で、地域質問の2設問とは大きく違いました。市名があれば必ず出ない、というより、地域の事業者を探して選ぶ意図の質問で出にくいと見るのが安全です。
なぜ地域の質問では出にくいのか|公式情報と他社調査から言えること

当社の観測だけでは、地域質問で非表示が多い理由までは特定できません。ここでは、公式情報と第三者の調査から、言える範囲を整理します。
Googleは表示を保証していない
GoogleのAI機能に関する公式ドキュメントでは、AI Overviewsに出るための前提は、ページがインデックスされ、検索結果にスニペットとして表示できる状態であることとされています。追加の技術要件や、AI専用のファイルは必要ないと説明されています。
また、生成AI向けの最適化ガイド(2026年7月10日更新)でも、要件を満たしていても表示や掲載が保証されるわけではないと書かれています。さらに、ローカルの事業者情報はGoogleビジネスプロフィールを通じて検索に表示される、という位置づけです。
他社調査では情報収集型の検索に偏っている
Semrushが2025年7月に公開した調査(2024年9月1〜10日、20万キーワード)では、AI Overviewsが表示されたキーワードの内訳で、情報収集型が約8割(デスクトップ80%、モバイル76%)を占めていました。取引型は3%未満、ナビゲーション型は2%未満です。
比べて選ぶ・依頼先を探す意図の検索ではAI Overviewsが出にくいという傾向は、当社の地域質問の結果とも矛盾しません。ただし調査時期と地域が違うため、同じ水準になるとは限りません。

非表示の日、AI全体では何が起きていたか|3つのAIで見る
AI Overviewsが出なかった検索でも、ChatGPTやGeminiには同じ質問が届いています。観測期間全体で見ると、AIによって自社が言及される割合は次のように違いました。
ソース別の自社言及率は17.9%・31.5%・33.0%
2026年7月4日〜9月30日、82日分・2,437観測の集計では、自社名が回答に含まれた割合は全体で27.5%(669/2,437)でした。ソース別では、Google AI Overviewsが17.9%(145/810)、OpenAI(ChatGPT)が31.5%(257/817)、Geminiが33.0%(267/810)です。
AI Overviewsの言及率が低く見える理由の一つは、非表示の観測が分母に含まれていることです。AI Overviewsが表示された635件に限ると、自社が言及されたのは145件で22.8%でした。
「出ない」と「選ばれない」を分けて考える
市名つきの質問で非表示だった日でも、ChatGPTやGeminiが回答のなかで自社名を挙げている場合があります。反対に、AI Overviewsが出ていても、自社が選ばれていない設問もあります。
たとえば、AI Overviewsが出ない地域質問で、ChatGPTやGeminiが自社を挙げていれば、その質問は別の面で届いているということです。逆に3つとも出ない質問は、サイトの情報そのものを見直す候補になります。
表示の有無と、言及されるかどうかは別の指標です。レポートでは、どちらも別々の数字として持っておくほうが、原因の切り分けがしやすくなります。

「増えた」と言えるかを判断する基準|揺れの幅と観測数

見る前に決めておく3つのルール
非表示率の増減を判断するときは、先に基準を決めておくと迷いません。当社では、次の3点を目安にしています。
1つ目は、月の観測数が200件以上あること。2つ目は、増減が±5ポイントを超えていることです。
3つ目は、その増減が2か月以上続いていることです。1か月だけの動きは、偶然の可能性が残るため、結論にしません。
この基準で今回の結果を見るとどうなるか
全体の非表示率は3か月とも5ポイントの幅に収まり、基準を満たしません。地域質問の2設問は上昇が続いていますが、月の観測数が50件台で、基準の200件に届いていません。
そのため、現時点では「出ない検索が増えた」とは結論づけず、地域質問の非表示だけを要注意の動きとして追っています。3か月の記録でも、断定できることと、まだ分からないことは分けて書くようにしています。
自分でAI Overviewsの出方を確認する手順
当社のような仕組みがなくても、自社に関係する質問の非表示率はある程度確認できます。ただし、手作業なので精度には限りがあります。
確認の手順|10問・週1回・同じ条件で
まず、お客様が実際に検索しそうな質問を10問決めます。市名つきの質問と、サービス名だけの質問を混ぜておくと、偏りが見えやすくなります。
次に、ブラウザのシークレットウィンドウでGoogle検索し、AI Overviewsが出たかどうかを記録します。同じ曜日・同じ時間帯・同じ端末で行うと、条件のずれが小さくなります。
記録する項目と、読み取りの注意
質問の文面は、毎回まったく同じにしてください。言い回しを少し変えただけでも、AI Overviewsの出方や出典が変わることがあるためです。
記録は表計算ソフトで足ります。日付・質問・AI Overviewsの有無・自社名の有無・出典リンクに自社サイトがあるか、の5列があれば十分です。
ログイン状態や位置情報で表示が変わることがあるため、1回の結果を過信せず、最低でも1か月分をまとめて見てください。Search Consoleでは、AI機能からのアクセスもウェブ検索の数字に含まれて集計されます。
非表示の質問への打ち手と、AccessGEOの使いどころ

AI Overviewsが出ない質問で優先すること
AI Overviewsが出にくい地域の質問では、Googleビジネスプロフィールの情報を整え、会社概要やサービス内容を最新に保つのが基本です。これらはAI向けの特別な対策ではなく、通常のSEOと同じ土台です。
あわせて、ChatGPTやGeminiで自社が出るかも確かめておきます。当社の観測でも、AI Overviewsと他のAIでは出方が違っていたためです。
手作業で続けるのが難しいとき
毎週10問を3つのAIで確認するのは、手作業だと続きにくい作業です。AccessGEOは、ChatGPT・Gemini・Google AI Overviewsの3つを毎日観測し、月次レポートで言及率と非表示率をお届けします。
弱みもお伝えしておくと、対応しているAIは現時点でこの3種類で、PerplexityやCopilotなどは対象外です。まずは手作業で数週間記録し、続かなければ任せる、という順序でも問題ありません。
よくある質問
AI Overviewsが出ない検索は、これから増えるのでしょうか?
今回の観測では、2026年7月〜9月の3か月間、全体の非表示率は横ばいでした。今後については当社も予測できないため、毎月同じ質問で測り続けて確かめるのが確実です。
AI Overviewsが出ないと、自社は不利なのでしょうか?
一概には言えません。AI Overviewsが出ない検索は、従来の検索結果やマップが中心になるため、通常のSEOやGoogleビジネスプロフィールの影響が大きくなると考えられます。
非表示率は低いほうが良いのでしょうか?
良し悪しの指標ではありません。非表示率はAI Overviewsの出方を知るための背景データで、自社の成果は、表示された場合に言及・引用されたかどうかで見ます。
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まとめ
AI Overviewsが出ない検索は、当社の2026年7月4日〜9月30日・810観測では、非表示率21.6%で3か月とも横ばいでした。増えたとは言えない一方で、市名つきでおすすめの会社を探す2設問では、58.6%(95/162)と高く、月別では上昇していました。
全体の数字だけでなく、設問別・月別に分け、観測数と揺れの幅を添えて読むことが大切です。まずは自社の質問を10問決めて、週1回の記録から始めてみてください。
続けるのが難しいときは、観測とレポート作成を任せるという選択肢もあります。数値はいずれも当社サイトの観測結果であり、今後の表示や成果を保証するものではありません。
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