Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポートは、自社のページがGoogle検索の「AIによる概要(AI Overviews)」や「AIモード」に何回表示されたかを、Google公式のデータとして確認できるレポートです。2026年6月3日に一部のサイトへ提供が始まり、Search Consoleヘルプによれば2026年8月31日付けで世界中のすべてのウェブサイトへ公開されました。
ただし、現時点で見られるのはインプレッション数(表示回数)だけです。クリック数・CTR・検索クエリは含まれていません。「AI検索でどれくらい見られたか」は分かっても、「そこから何人来たのか」「どんな言葉で聞かれたときに出たのか」までは分からない、という位置づけになります。
この記事では、レポートの開き方と読み方を先に整理します。そのうえで、このレポートだけでは埋まらない空白がどこにあるのかを、当社が自社ブランドを対象に60日間・1,776回のAI検索を観測した実測データとあわせて説明します。
記事執筆者:認定SEOコンサルタント 三田健司
Search Consoleの生成AIレポートとは何か

最初に、このレポートが何を測っているものなのかを押さえておきます。ここを取り違えると、あとで数字の読み方を間違えます。
2026年6月に登場し、8月末に全サイトへ公開された
Google検索セントラルブログの2026年6月3日付けの発表によると、Search Consoleに「検索の生成AIパフォーマンスレポート」が追加されました。検索用とDiscover用の2つが用意されています。
発表時点では一部のサイトへの段階的な提供でしたが、Search Consoleヘルプの記載では2026年8月31日付けで全世界のすべてのウェブサイトへリリースされています。つまり、いまは基本的にどのサイトでも使える状態です。
なお、この生成AIでの表示は、以前から従来のパフォーマンスレポートの数字にも含まれていました。今回追加されたのは、その部分だけを切り出して見られる専用のビューだ、とGoogleは説明しています。
対象は「AIによる概要」と「AIモード」
Search Consoleヘルプによれば、検索向けの生成AIパフォーマンスレポートに含まれるのは、AIによる概要とAIモードのインプレッションです。この対象機能の一覧は、Google検索の変化にあわせて今後更新される予定だと明記されています。
一方で、Search Labsの試験運用版のデータは現時点では含まれません。Discoverの生成AI機能については、別途Discover用のレポートを見る形になります。
ここで大事なのは、対象がGoogleの中の話に限られることです。ChatGPTやGeminiのアプリでどう見えているかは、このレポートには一切出てきません。この点はあとの章で実測データとあわせて詳しく扱います。
生成AIレポートを開く手順
操作そのものは難しくありません。Search Consoleにログインできる状態であれば、数クリックで到達できます。
レポートの場所と最初に見る画面
Search Consoleで対象のプロパティを選び、左メニューの「検索パフォーマンス」まわりから生成AIパフォーマンスレポートを開きます。ヘルプ記事内のリンクから直接開くこともできます。
デフォルトのビューでは、対応している生成AI機能でのサイトのインプレッションデータが表示されます。ここでのインプレッションとは、生成AI機能の中でユーザーにサイトへのリンクが表示された回数です。
画面はグラフと表の2段構成になっています。上のグラフが期間全体の合計インプレッション、下の表が選んだディメンションごとの内訳です。
レポートが出てこないときに確認する3点
レポートが見当たらない場合、Search Consoleヘルプは主に3つの理由を挙げています。
- 段階的な提供のため、一部のプロパティではまだアクセスできないことがある
- サイトが生成AI機能で十分なインプレッション数を獲得していない
- サイト側の設定で、検索の生成AI機能から自サイトを除外している
3つ目は見落としやすいところです。生成AI機能に出したくないという設定を過去に入れていると、当然ながらレポートにもデータが溜まりません。
また、レポートが空に見えても、必ずしも設定ミスとは限りません。単純に表示回数がまだ少ないだけというケースが、規模の小さいサイトでは珍しくありません。
このレポートで分かること・分からないこと

使い始める前に、期待値を正しく合わせておきます。分かる範囲は思ったより狭く、しかしその狭い範囲はGoogle公式の一次データという点で貴重です。
選べる4つのディメンション
Search Consoleヘルプによると、データをグループ化する軸として次の4つが用意されています。
- ページ:生成AI機能からリンクされた最終ページのURLごと
- 国:検索が行われた国ごと
- デバイス:パソコン・タブレット・モバイルの別
- 日付:日・週・月の粒度(日付はすべて太平洋時間)
実務でいちばん使うのは「ページ」と「日付」です。どのページがAI機能に拾われているかが分かれば、次に手を入れるページの見当がつきます。
グラフと表の両方にエクスポートボタンがあり、データをダウンロードできます。レポート上で「〜」や「-」と表示される項目は、ダウンロードしたデータでは0として出力されます。
クリック数・CTR・検索クエリは含まれない
現時点のこのレポートは、インプレッションだけを扱います。クリック数もCTRも、どんなクエリで表示されたかも出てきません。
そのため、AI検索での「見え方」は測れても、「売上への効き方」までは追えません。ここは割り切って、別の手段と組み合わせる前提で使うことになります。
Googleは発表の中で、時間の経過に伴う指標の追加を含めて、サイト所有者にとって有用なデータを検討し続けると述べています。今後、指標が増える可能性はあります。
AIによる概要とAIモードは合算で表示される
レポートに含まれるのはAIによる概要とAIモードの両方ですが、現状は機能ごとに分けた内訳を見ることはできません。
たとえば「AIによる概要での露出は伸びているが、AIモードでは落ちている」といった分解は、いまのところできない、ということです。
この制約を頭に入れておかないと、合算値の増減を見て誤った原因分析をしてしまいます。
数字を読むときにつまずきやすい3点
レポートの数字は、いくつか癖があります。実際に見比べると「合計が合わない」と感じる場面が出てくるので、先に整理しておきます。
グラフと表で集計単位が違う
グラフのデータはプロパティ単位で集計されます。生成AIの結果に同じサイトからのリンクが2件表示された場合でも、グラフの合計では1インプレッションとして数えられます。
一方、表のほうは選んだディメンションによって変わります。国・デバイス・日付でのグループ化はプロパティ単位、ページでのグループ化はページ単位です。
この違いのせいで、グラフの合計と表の合計が一致しないことがあります。Search Consoleヘルプでも、これは通常の集計方法の差によるものだと説明されています。
直近の数値は暫定値で、あとから動く
最新のデータはまだ収集中の暫定値であり、その後の数時間で変動する場合があります。レポート上では点線で表示されます。
つまり、昨日や今日の数字だけを見て一喜一憂しても意味がありません。数日おいてから確定値で見るほうが安全です。
正規URLへの集約と1,000行の制限
パフォーマンスデータの大半は、ページの正規URLに割り当てられます。重複URLには割り当てられません。
また、通常の検索パフォーマンスレポートと同じデータ制限、たとえば1,000行の上限や期間の制限がこのレポートにも適用されます。ページ数の多いサイトでは、下位のページが表に出てこない点に注意が必要です。
生成AIレポートでは見えない範囲|60日1,776回の実測から

ここからは、Search Consoleの外側の話です。当社は自社ブランドを対象に、AI検索での見え方を毎日観測しています。その実測データと突き合わせると、生成AIレポートの守備範囲がはっきりします。
以下の数値は、2026年7月4日から9月7日までの60日間・1,776回の観測(OpenAI/Gemini/Google AI Overviewsの3ソース)にもとづくものです。
ChatGPT・Geminiでの見え方は映らない
60日間・1,776回の観測で、当社ブランドの言及率はソースごとにはっきり分かれました。OpenAI 31.7%(596回中)、Gemini 32.9%(590回中)、Google AI Overviews 18.0%(590回中)です。
Search Consoleの生成AIレポートが扱うのは、このうちGoogle AI Overviews側だけです。観測全体のおよそ3分の1しかカバーしていない計算になります。
しかも、上の数字が示すとおり、AIごとに出方は同じではありませんでした。Googleでの露出が良好でも、ChatGPTやGeminiでは別の結果になっている可能性があります。

同じ質問でも、日によって答えが変わる
同じ10設問を毎日投げ続けた60日間で、1日あたりの自社言及率は20.0%から33.3%の範囲で上下しました。7日移動平均で見ても24.8%から30.9%の幅があります。
1回だけ測った数字は、その日のたまたまの結果にすぎない可能性があります。Search Consoleの生成AIレポートも同じで、週次・月次の推移で見るほうが実態に近づきます。

「表示された」と「おすすめされた」は別のこと
60日間・1,776回の観測のうち、指名系の設問(社名を直接聞くもの)では自社の言及率が93.8%でした。地域系の2設問も84.2%と77.5%と高い水準です。
一方で、「おすすめは?」「選び方は?」といった汎用・比較系の6設問では、60日間を通じて自社の言及が0%でした。競合が出ている設問もあります。
インプレッションが立っていても、それが推薦文脈での言及なのか、単なる参考リンクなのかまでは、表示回数だけでは判断できません。ここは中身を読む必要があります。
生成AIレポートとあわせて自分でやれること

制約は多いものの、Google公式の一次データが無料で見られる意味は大きいです。手作業でできる範囲から始めるのが現実的です。
週1回、エクスポートして手元に貯める
レポートには過去データの保持期間の制限があります。エクスポート機能を使って、週に1回でも手元のスプレッドシートに落としておくと、あとから長期の推移が見られます。
見るのは「ページ」と「日付」の2軸で十分です。どのページが拾われ、その回数が増えているか減っているかだけを追います。
主要な質問を手でAIに投げて答え合わせをする
自社に関係する質問を5問ほど決めて、ChatGPT・Gemini・Google検索の3つに同じ文言で投げます。自社が出るか、どう紹介されているか、競合はどこが出ているかをメモします。
これを週1回続けるだけでも、Search Consoleの表示回数の増減が何によるものかの見当がつきやすくなります。

手作業が続かなくなったときの選択肢
この作業は、やってみると分かりますが毎週続けるのが最大の難所です。人の目で判定する以上、記録の粒度も揺れます。
AccessGEOは、ChatGPT・Gemini・Google AI Overviewsの3つに同じ設問を毎日自動で投げ、言及と引用を記録して月次レポートでお届けするサービスです。上の実測データも、自社を対象に同じ仕組みで取ったものです。
対応しているAIは現時点で3種類で、PerplexityやCopilotなどは対象外です。自社で回せる規模であれば、無理に外注する必要はありません。
よくある質問
Search Consoleの生成AIレポートは有料ですか?
Search Consoleの機能の一部なので、追加費用はかかりません。プロパティが登録されていれば利用できます。
AIによる概要とAIモードを分けて見ることはできますか?
現時点では合算での表示となり、機能ごとの内訳を分けて見ることはできません。Googleは指標の追加を検討中と述べているため、今後変わる可能性はあります。
クリック数が出ないなら、AI検索からの流入はどう測ればよいですか?
GA4の参照元/メディアで、ChatGPTやPerplexityなどのドメインを抽出する方法があります。手順は別記事で解説しています。
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まとめ
Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポートは、2026年8月31日付けで全サイトに公開された、AIによる概要とAIモードでの表示回数をGoogle公式データで確認できる機能です。
見られるのはインプレッションのみで、クリック数・CTR・クエリは含まれず、AIによる概要とAIモードは合算されます。グラフと表で集計単位が異なる点、直近が暫定値である点も押さえておく必要があります。
そして対象はGoogleの中だけです。当社の60日間・1,776回の観測では、OpenAI 31.7%・Gemini 32.9%・Google AI Overviews 18.0%と、ソースによって自社の言及率が異なりました。Googleの数字だけを見て全体を判断するのは避けたほうが無難です。
まずは週1回のエクスポートと、5問程度の手動チェックから始めてみてください。それでも手が足りないと感じたときに、外部の仕組みを検討すれば十分です。
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