競合とのAI露出を比較する方法|自分で測る手順と、無料でできる範囲・限界【82日2,437回の実測】

AIの吹き出しとオフィスビル、高さの違う3本のビルのアイソメトリックイラスト

競合とのAI露出の差は、同じ質問を複数回AIに聞き、自社と競合の名前が出た割合を数えれば、無料でも自分で比較できます。ただし1回の回答では結果がぶれるため、質問を10問ほどに絞り、同じ質問を何度も聞いて記録する手間がかかります。

この記事では、質問の決め方から記録表の作り方、集計の仕方までを順に説明します。あわせて、当社が自社サイトで82日・2,437回観測した競合との差も、実際の数字で公開します。

GEO(Generative Engine Optimization=ChatGPTやGeminiなどの生成AIでの見え方を整える取り組み)という言葉が出てきますが、最初にやるのは「測る」ことだけです。当社は栃木県宇都宮市のWeb制作・SEO会社で、自社サイトを観測対象に、AI検索での言及を毎日測っています。

記事執筆者:認定SEOコンサルタント 三田健司

目次

競合との差は「感覚」ではなく数字で比べる|まず何を測るのか

パソコンの前で表計算シートに回答を記録する人のアイソメトリックイラスト

見るのは「言及率」と「競合との重なり方」

AI検索での露出を比べるときの基本は、言及率です。言及率とは、同じ質問をAIに何回か聞いたうちで、自社の名前が回答に出た回数の割合のことです。

競合との差を見るなら、これに「競合の言及率」と「重なり方」を加えます。同じ回答の中で自社だけが出たのか、競合だけが出たのか、両方が並んだのか、どちらも出なかったのかを分けて数えると、差の中身が見えてきます。

「順位」ではなく「出現の頻度」で比べる

AIの回答は、紹介する会社の並び順が毎回入れ替わります。米国のSparkToroとGumshoe.aiが2026年1月に公表した調査では、600人のボランティアが12の同じ質問をChatGPT・Claude・GoogleのAIに計約3,000回聞いたところ、同じ一覧が返る確率は100回に1回未満、同じ順序まで一致する確率は1,000回に1回程度でした。

同じ調査では、ブランドの順位は「実質的に意味がない」ほど不安定だとして、複数回の実行で何割に登場したかを見る方法が提案されています。一方で、必要な回数や質問の代表性にはまだ答えが出ていないとも書かれています。この記事の手順も、この考え方に沿った「頻度で見る」方法です。

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手順1|測る質問を10問に絞る

見込み客が実際に打ちそうな言い方で作る

最初に決めるのは、AIに聞く質問です。自社の業種と地域で、見込み客が実際に入力しそうな言い方を10問ほど書き出します。

「栃木県でSEOに強いホームページ制作会社は?」のように、地域名とサービス名を入れた質問が基本です。「選び方・比較ポイントは?」のような探し方の質問や、「〇〇の評判は?」のような社名を直接入れる質問も混ぜると、段階ごとの差が見えます。

自社の名前を入れた質問と、入れない質問を分ける

社名を入れた質問は、自社が出て当然です。当社の観測でも、社名を入れた質問では93.4%(243回中227回)で自社名が出ました。

比較の主役は、社名を入れない質問です。「おすすめは?」「どこに頼むべき?」のように、AIが自分で会社を選んで答える質問ほど、競合との差がはっきり出ます。質問は途中で入れ替えず、同じ文面のまま測り続けてください。

競合は「自社が思う競合」ではなく「AIが挙げた会社」で決める

比べる相手は、普段意識している同業者とは限りません。AIの回答に実際に名前が挙がった会社を一覧にして、出現回数の多い順に並べると、見込み客がAIから受け取る「候補」が見えてきます。

当社の観測でも、競合として登録した8ブランドの出現回数には大きな差があり、最多のブランドが13.8%(337回/2,437回)、残りはそれを下回りました。最初の2週間は競合を決め打ちせず、回答に出た会社名をそのまま記録しておくと、比べる相手を選びやすくなります。

手順2|同じ質問を何回も聞いて記録する

1回の回答で判断しない理由

AIは同じ質問でも、聞くたびに答えが少しずつ変わります。1回だけ聞いて競合が出たからといって、競合が強いとは言えません。

AI検索の測定手法を解説している海外の記事(Metehan Yesilyurt氏、2026年9月6日公開)でも、同じ質問を20回以上、質問数は競合カテゴリごとに25〜50問以上を推奨しており、1回だけの確認は「誤解を招くぶれを生む」と注意しています。小さな会社が手で行うには重い基準なので、後述するように、現実的には回数を絞って傾向を見ることになります。

記録表は「日付・AI・質問・自社・競合」の5列でよい

記録はスプレッドシートで十分です。列は、日付、使ったAI(ChatGPT・Gemini・Google検索のAI Overviewsなど)、質問、自社が出たか(○か×)、競合が出たか(社名)の5つで始められます。

回答の全文もメモ欄に貼っておくと、後で「なぜ競合が出たのか」を読み返せます。ログインした状態だと過去の会話や設定の影響を受けることがあるため、できるだけ新しいチャットやログアウト状態で聞くほうが、条件がそろいます。

手順3|自社と競合の出方を4つに分けて集計する

電卓と4色に分かれた円グラフを囲んで分類する人々のアイソメトリックイラスト

4分類で「差の中身」を見る

集計は、1回ごとの回答を次の4つに分けて数えます。自社だけが出た、自社と競合の両方が出た、競合だけが出た、どちらも出なかった、の4分類です。

「競合だけが出た」の割合が大きい質問が、差を埋める優先候補になります。「どちらも出なかった」が多い質問は、競合にも負けていないものの、そもそもAIが特定の会社を挙げにくい質問です。

言及率は「出た回数÷聞いた回数」で出す

言及率は、自社が出た回数を聞いた回数で割れば計算できます。競合は社名ごとに同じ計算をして、自社の言及率と並べます。

競合が多い場合は、まず上位1〜2社に絞るのが現実的です。差の原因を詳しく調べたい場合は、下の記事で競合が出る理由の見方を整理していますので、あわせてご覧ください。

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実測例|自社サイトで競合との差を測ると何が見えたか

全体では自社27.5%、競合の最多ブランドは13.8%

当社は、自社サイトを対象に10問の質問を毎日ChatGPT系・Gemini・Google AI Overviewsの3つで観測しています。観測期間は2026年7月4日から9月30日までの82日間、観測数は2,437回です。

この期間に自社の名前が出た割合は27.5%(669回/2,437回)でした。観測対象の競合8ブランドのうち、最も多く出たブランドは13.8%(337回/2,437回)です。回答のどこかに競合が1社でも出た割合は22.0%(535回/2,437回)でした。

質問ごとの4分類|差が出る質問は決まっている

質問ごとに4分類を並べたのが次の表です。同じ観測期間・各質問243〜244回のうち、回数で示しています。

質問の種類自社だけ両方競合だけどちらも無し
社名を入れた質問(自社の評判)2270016
下野市×MEO・地図対策17036037
下野市×ホームページ制作10177552
栃木県×SEOに強い制作会社232611679
宇都宮市×ホームページ制作0015292
集客できるホームページの依頼先0021223
残り4問(SEOツール・選び方など)002973

宇都宮市のホームページ制作会社を聞く質問では、244回のうち152回で競合の名前が出た一方、自社名は82日間の観測を通じて1回も出ていません。栃木県でSEOに強い会社を聞く質問でも、競合だけが出た回数(116回)が、自社だけが出た回数(23回)を大きく上回りました。

なお、この表は当社1社・1地域・10問の結果で、競合の実名は伏せています。他の業種や地域にそのまま当てはまる数字ではありません。

0%のまま動かない質問の共通点は、別の記事で詳しく整理しています。

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同じ競合でも、AIによって出方が違う

それぞれ別の棒グラフを持つ3体のロボットが並ぶアイソメトリックイラスト

ChatGPT系・Gemini・AI Overviewsの3つで比べる

同じ期間のAIごとの数字は次のとおりです。自社の言及率は、ChatGPT系(OpenAIのAPI)が31.5%(257回/817回)、Geminiが33.0%(267回/810回)、Google AI Overviewsが17.9%(145回/810回)でした。

競合のうち少なくとも1社が出た割合は、ChatGPT系が24.1%(197回/817回)、Geminiが29.4%(238回/810回)、AI Overviewsが12.3%(100回/810回)です。どのAIでも自社のほうが上回りましたが、差の大きさはAIによって違います。

1つのAIだけで「勝ち負け」を決めない

同じ「栃木県でSEOに強いホームページ制作会社は?」という質問でも、自社が出た割合はGeminiが34.6%(81回中28回)、ChatGPT系が25.6%(82回中21回)、AI Overviewsが0%(81回中0回)と分かれました。

宇都宮市の質問では、競合が出た割合がGeminiで91.4%(81回中74回)、ChatGPT系で65.9%(82回中54回)、AI Overviewsで29.6%(81回中24回)と、AIによって2〜3倍の開きがありました。1つのAIの結果だけで優先順位を決めると、見誤るおそれがあります。

3つのAIの違いを実測で比べた記事もあります。AIごとに出方が違う理由と、測るときの注意点を知りたい方は、あわせてご覧ください。

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無料でできる範囲と限界|手作業の現実的な上限

手でやるなら「10問×3AI×週1回」から始める

当社の観測は、1日あたり約30回(10問×3AI)を自動で実行しており、82日で2,437回になりました。同じことを手で毎日行うと、1回あたり1分としても、記録まで含めて1日30分以上かかる計算になります。

手作業なら、10問×3AIを週1回、同じ曜日に実行する運用が続けやすいでしょう。4週間で120回分の記録がたまり、競合との重なり方の大まかな傾向は見えてきます。ただし、前述の海外の基準(質問ごとに20回以上)には届きません。

手作業で見えにくいこと

手で測る方法には、いくつかの限界があります。まず、回数が少ないため、1〜2ポイントの差は誤差の範囲かもしれません。

次に、画面で見るAIの回答と、システム経由(API)で取得した回答は、設定によって内容が異なることがあります。当社の観測もAPI経由のため、一般の利用者が画面で見る回答と完全に同じとは限りません。

最後に、Google Search Consoleの「生成AIパフォーマンスレポート」は、自社サイトのAI機能での表示を確認できますが、競合の数字は見られません。競合との比較は、自分で質問を投げて測る必要があります。

観測にかかる費用の目安

当社のAPI利用料は、82日間・2,437回で約23.9ドル(1日あたり約0.29ドル)でした。自動化すれば安く済みますが、仕組みをつくる手間と、結果を読む手間は別にかかります。

手作業は費用がかからない代わりに、毎回の時間が必要です。続かなくなるのが一番の失敗なので、回数を減らしてでも続けられる形にしてください。

差を測ったあと、何から手を付けるか

青い階段を上って旗を掲げる人と虫眼鏡のアイソメトリックイラスト

「競合だけが出る質問」から1問ずつ見直す

集計して差が見つかったら、「競合だけが出た」割合が大きい質問を1つ選び、そのとき競合がどんなページ・情報源で挙げられているかを回答から読み取ります。公式サイトの説明が具体的なのか、第三者のまとめ記事に載っているのか、地図情報から拾われているのかで、打ち手が変わります。

改善の効果は、翌月に同じ質問を同じ回数だけ聞き直して確かめます。数字が1〜2ポイント動いただけでは判断せず、数週間続けて同じ方向に動いているかを見てください。

一気に全質問の対策を始めるより、1問ずつ直して、次の月に同じ質問で測り直すほうが、効果を確かめやすくなります。

Googleは「AI専用の特別な対策は不要」としている

Googleは検索セントラルの公式ガイドで、生成AI機能向けの最適化は「検索体験の最適化であり、引き続きSEOである」と説明しています。llms.txtについても「Google検索では使っておらず、害にも助けにもならない」としています。

つまり、競合との差を埋める基本は、ユーザーの役に立つ具体的な内容をサイトに載せ、クロールされる状態を保つという従来のSEOの延長です。測った結果を見て、何をいじるべきかを決める順序を間違えないことが大切です。

よくある質問

Q. 競合の社名を入れて質問してもよいですか?

社名を入れた質問は、AIがその会社の情報を探しに行くため、「おすすめは?」のような質問の結果とは性質が違います。競合との露出差を測る目的なら、競合の社名は入れず、AIが自分で挙げた名前を数える方法が基本です。

Q. 何回聞けば信頼できる数字になりますか?

海外の手法解説では質問ごとに20回以上が推奨されていますが、当社の観測でも、週ごとの言及率は24.8〜30.0%の範囲で上下しました(68日・2,017回の時点)。手作業なら、まずは4週間続けて、極端な差だけを拾うのが現実的です。

Q. 無料で測れる範囲で、競合の言及率を正確に出せますか?

正確な数字ではなく、おおまかな傾向をつかむ目的で使うのが適しています。回数が少ない、画面とAPIで回答が違うことがある、競合が多いと集計が大変、という限界があります。

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まとめ

競合とのAI露出差は、質問を10問に絞り、同じ質問を複数回聞いて、自社と競合の出方を4つに分けて数えれば、無料でも比べられます。1回の回答や順位ではなく、出現の頻度で見ることがポイントです。

当社の自社観測(2026年7月4日〜9月30日、82日・2,437回)では、自社の言及率は27.5%、競合最多ブランドは13.8%でしたが、宇都宮市や栃木県の質問では競合だけが出る回数が多く、質問ごとに差の出方が大きく違いました。

手作業は「10問×3AI×週1回」から始め、回数の少なさやAPIとの違いといった限界を踏まえて、傾向をつかむ目的で使ってください。毎日の定点観測と競合比較をレポートで受け取りたい場合は、下のバナーから無料診断をお申し込みいただけます。

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この記事を書いた人

三田健司のアバター 三田健司 株式会社アクセス・リンク 代表取締役/SEO・GEOコンサルタント

株式会社アクセス・リンク代表取締役。(社)全日本SEO協会 認定SEOコンサルタント。AI検索の露出を毎日観測するツール「AccessGEO」の開発者。

2011年に副業でWebサイト運営を始め、数百サイト・数千記事を自ら作成・運用してきました。2017年に独立した直後、Googleの医療健康アップデートで運営サイトの順位が大きく落ちた経験から、「誰が、どんな根拠で書いているか」を重視する検索エンジンの評価基準(E-E-A-T)を軸にしたSEOに取り組んでいます。

2021年に株式会社アクセス・リンクを創業。ホームページ制作と、SEO・MEO・GEO(生成AI検索への最適化)のコンサルティングを、クリニック・歯科医院・パーソナルジム・EC・地域の事業者など幅広い業種に提供しています。

現在は、ChatGPTなどの生成AIが自社や競合をどう紹介しているかを毎日観測し、その一次データをもとにAI検索時代の集客を研究・発信しています。このブログに掲載している実測データは、すべて自社で観測したものです。

株式会社アクセス・リンク 公式サイト
(社)全日本SEO協会 認定SEOコンサルタント

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