AI検索での自社の露出は、3か月(89日間)でほぼ横ばいでした。AccessGEOが自社サイトを2026年7月4日〜9月30日に観測した2,437回では、ChatGPT・Gemini・Google AI Overviewsを合わせた言及率が7月27.1%、8月27.2%、9月28.0%と、大きくは動いていません。
ただし、全体が横ばいだったことと、設問ごとに何も起きなかったことは別の話です。指名で聞かれる設問は90%台で安定し、地域名つきの設問は一部が少し上がり、6つの設問は3か月間ずっと0%のままでした。
この記事では、89日分の実測データを月別・週別・日別・ソース別・設問別に分けて公開し、「どの変化を動いたと呼んでよいのか」を整理します。なお「言及率」とはAIの回答文に自社名が登場した割合のこと、「GEO」とは生成AI検索での露出を高める取り組みのことです。
記事執筆者:認定SEOコンサルタント 三田健司
3か月の結論|全体はほぼ横ばいで、動いたのは一部の設問だけ

先に数字だけ確認する
観測期間は2026年7月4日〜9月30日の89日間で、観測を実施できたのは82日、有効な観測数は2,437回です。自社名(株式会社アクセス・リンク)が回答文に出た回数は669回で、全体の言及率は27.5%でした。
| 区分 | 言及率(言及回数/観測数) |
|---|---|
| 全体(89日間・82日分) | 27.5%(669/2,437) |
| 2026年7月 | 27.1%(211/780) |
| 2026年8月 | 27.2%(214/787) |
| 2026年9月 | 28.0%(244/870) |
| Gemini | 33.0%(267/810) |
| OpenAI(ChatGPT系) | 31.5%(257/817) |
| Google AI Overviews | 17.9%(145/810) |
月ごとの差は最大でも0.9ポイントで、後半で説明するとおり、この程度は測定のブレの範囲に収まります。3か月たっても全体の露出はほとんど変わらなかったというのが、この90日の素直な読み方です。
「横ばい」は悪い結果ではなく、読み方の出発点になる
ブログ更新やサイト改善を続けた3か月で全体が動かなかったのは、意外な結果ではありません。AIの回答は「自社が出る質問」と「出ない質問」がはっきり分かれていて、その構造が簡単には変わらないからです。
全体の数字が少し上下しただけで施策の成否を判断するのは危険です。以降で、何が動き何が動かなかったのかを分解します。
観測の条件|どんな質問を、どう数えたのか
10問×3ソースを毎日1回ずつ聞いている
AccessGEOは、自社に関係する10個の質問を固定し、OpenAI(ChatGPT系)・Gemini・Google AI Overviewsの3つのソースに毎日1回ずつ聞いています。1日あたりの観測は最大30回で、AI Overviewsについては、検索結果にAI Overviewsが出たかどうかと、その中身を確認しています。
質問は「社名で聞く」「地域名+ホームページ制作」「地域名+MEO」「県域のSEO」などで、途中で入れ替えていません。推移を見るには、同じ質問を同じ条件で繰り返すことが前提になるからです。
言及の数え方は「自社名が回答文に出たか」だけ
言及の判定は、回答に出てきた企業名の一覧に「アクセス・リンク」または「access-link」が含まれるかどうかで行っています。競合の名前だけが出た回は、自社の言及には数えていません。
この基準にしたのは、競合を含めた「何かしらの会社名が出た割合」を使うと、自社の実態より大幅に高く見えてしまうためです。たとえば県域SEOの設問は、競合も含めると67.6%(165/244)で会社名が出ますが、自社に限ると20.1%(49/244)でした。
この測り方の限界も書いておく
まず、対応しているのは3種類のAIだけで、PerplexityやClaudeなどは測っていません。また、API経由で取得したAIの回答は、利用者が画面で見る回答と完全に同じとは限りません。
さらに、10問は栃木県下野市周辺のホームページ制作という自社の事業領域に寄った自社1社のデータです。業種や地域が違えば、違う動きになる可能性があります。
全体の推移|月・週・日で見ると、何が見えるのか
月別と約1か月ごとの区間では差がほとんどない
月別は27.1%→27.2%→28.0%でした。観測日数で3つに分け直しても、最初の28日(7月4日〜8月2日)が27.0%(227/840)、次の28日が27.7%(226/817)、最後の26日が27.7%(216/780)で、ほぼ並びます。
週別では25.0%〜31.0%の幅で動く
観測が6日以上ある週に限ると、週ごとの言及率は25.0%から31.0%の間で上下しました。もっとも高かったのは8月31日〜9月6日の週で、31.0%(65/210)です。
ただ、その翌週は27.2%に戻っています。1週間分の観測は210回前後なので、数ポイントの上下は誤差の範囲だと考えるのが妥当です。
日別は20.0%〜33.3%で、毎日の数字は見ても意味が薄い
1日の観測が30回そろった81日分では、日別の言及率は20.0%〜33.3%の範囲で、標準偏差は約3.5ポイントでした。1日分だけを切り出すと、同じ状態でも1割以上動いて見えます。
曜日や時間帯でAIの回答が変わるのかについては、別の記事で68日分のデータをもとに検証しています。結論だけ先に書くと、曜日による差はほとんど見られませんでした。

ソース別の推移|ChatGPT・Gemini・AI Overviewsの違い

3つのソースとも、3か月で大きくは動いていない
ソース別・月別に並べると、水準の違いははっきりしていますが、各ソースの中での月ごとの動きは小さいことが分かります。
| ソース | 2026年7月 | 2026年8月 | 2026年9月 |
|---|---|---|---|
| Gemini | 33.8%(88/260) | 30.8%(80/260) | 34.1%(99/290) |
| OpenAI(ChatGPT系) | 30.4%(79/260) | 32.2%(86/267) | 31.7%(92/290) |
| Google AI Overviews | 16.9%(44/260) | 18.5%(48/260) | 18.3%(53/290) |
GeminiとOpenAIは30%台、AI Overviewsは10%台後半で、並びも3か月を通して変わりませんでした。AI Overviewsだけ低いのは、そもそも検索結果に出ない回があるためです。
AI Overviewsが出なかった割合は2割前後
10問すべてを合わせた3か月間で、AI Overviewsが表示されなかった検索は21.6%(175/810)でした。月別では7月20.8%(54/260)、8月23.5%(61/260)、9月20.7%(60/290)で、こちらも大きな変化はありません。
Googleの公式ドキュメント(AI機能に関するページ)には、AI Overviewsは従来の検索を補完すると判断された場合にだけ表示され、多くの場合は表示されない、という趣旨の説明があります。「AI Overviewsが出ない検索が一定割合ある」こと自体は、仕様どおりの動きといえます。
設問別の推移|動いた設問と、3か月ずっと動かなかった設問
設問ごとに分けると、まったく違う景色になる
全体の27.5%という数字は、90%台の設問と0%の設問を平均した結果にすぎません。設問別に分けて月ごとの推移を見ると、次のとおりです。
| 設問の種類 | 3か月合計 | 7月 | 8月 | 9月 |
|---|---|---|---|---|
| 社名で聞く(評判など) | 93.4%(227/243) | 94.9% | 92.3% | 93.1% |
| 地域名+MEO・地図対策 | 84.8%(206/243) | 79.5% | 87.2% | 87.4% |
| 地域名+ホームページ制作のおすすめ | 76.6%(187/244) | 78.2% | 75.9% | 75.9% |
| 県域+SEOに強い制作会社 | 20.1%(49/244) | 17.9% | 17.7% | 24.1% |
| SEOツールのおすすめ | 0.0%(0/244) | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
| 別の市名+ホームページ制作のおすすめ | 0.0%(0/244) | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
| 中小企業向けの制作会社のおすすめ | 0.0%(0/244) | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
| 集客できるサイトの依頼先 | 0.0%(0/244) | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
| 制作会社の選び方・比較ポイント | 0.0%(0/243) | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
| フリーランスと制作会社の比較 | 0.0%(0/244) | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
社名で聞く設問は3か月とも92〜95%で動いていません。地域名つきの2設問は、MEOが7月の79.5%から9月の87.4%へ上がり、ホームページ制作は75〜78%で横ばいでした。
0%の6設問は、3か月たっても1回も変わらなかった
一般的な「おすすめ」「選び方」「比較」の質問では、6設問すべてが3か月間・延べ1,463回の観測で一度も自社名が出ませんでした。ブログの更新やサイトの改善を続けていても、この種の質問の結果は簡単には動きません。
これは「やっても無駄」という意味ではなく、AIがこうした質問に答えるときの情報源が、自社の発信量とは別のところにある可能性を示しています。0%のままだった6設問の共通点は、別の記事で詳しく整理しました。
県域SEOの設問は上がったのか|半月ごとの推移で確かめる

9月の上昇は、9月後半に戻った
3か月で唯一、数字が上向いて見えたのが「栃木県でSEOに強いホームページ制作会社は?」という設問です。半月ごとに区切ると、次のようになります。
| 期間 | 言及率(言及回数/観測数) |
|---|---|
| 7月4日〜15日 | 15.2%(5/33) |
| 7月16日〜31日 | 20.0%(9/45) |
| 8月1日〜15日 | 12.8%(5/39) |
| 8月16日〜31日 | 22.5%(9/40) |
| 9月1日〜15日 | 31.0%(13/42) |
| 9月16日〜30日 | 17.8%(8/45) |
9月上旬は31.0%まで上がりましたが、9月後半は17.8%に戻っています。9月通月では24.1%(21/87)で、7月・8月の17〜18%台よりは高いものの、「2割から3割に上がった」と言い切れる状態ではありません。
先行記事の「上昇」をどう読み直すか
この設問が上がったきっかけについては、9月16日時点のデータをもとに別の記事で書きました。そのときは上昇が続いて見えましたが、観測を伸ばすと後半は元の水準に近づいています。
短い期間の上昇は、時間がたつと戻ることがあるので、観測を続けて確かめることが大切だと、あらためて実感しています。

ソース別では、Geminiが高くAI Overviewsはゼロ
この設問を3か月通してソース別に見ると、Geminiが34.6%(28/81)、OpenAIが25.6%(21/82)、AI Overviewsは0.0%(0/81)でした。全体の上下は、主にGeminiとOpenAIの回答の揺れで説明できます。
90日の数字を読むときの注意点|「動いた」と言える条件
観測数が少ないほど、数字は大きく揺れる
同じ質問を繰り返すデータでは、観測数が少ないほど数字のブレが大きくなります。全体の言及率27.5%に対する95%の誤差幅は、観測数2,437回でおよそ±1.8ポイント、月別(約830回)で±3.0ポイント、週別(210回)で±6.0ポイント、1日(30回)で±16ポイントです。
これは単純な二項分布の目安で、質問を固定している分、実際のブレはこれより小さくなります。それでも月別で0.9ポイント、週別で数ポイントの差は、動いたと判断する材料にはなりません。
AIの回答は、毎回かなり違う
AIの回答が毎回変わることは、他の調査でも指摘されています。SparkToroとGumshoe.aiは2026年1月28日に、600人のボランティアによる2,961回の実行(12のプロンプト)をもとにした調査を公開しました。
それによると、ChatGPTやGoogleのAIに同じ質問を100回したとき、2つの回答で同じブランドの一覧が出る確率は100分の1未満で、順番まで同じになる確率は1,000分の1未満でした。一方で、多数回の実行から出現割合(visibility %)を出す方法は妥当だとも述べられており、AccessGEOの「同じ質問を繰り返して割合で見る」方法と同じ考え方です。
「AI内の順位」は、そもそも測れない前提で考える
同じ調査では、AIの中での「掲載順位」を示す指標には強い疑問が示されています。1回ごとに順序が変わる以上、順位は安定した指標にならないからです。
AccessGEOが順位ではなく「言及率」を軸にしているのはこのためです。
自分で3か月測るなら|最低限そろえたい5つの手順

費用をかけずに始められる5つの手順
ここまでのデータは、考え方を真似すれば自社でも取れます。最低限、次の5つを守ると推移を比べられます。
手順1:質問を10個前後に固定します。自社名で聞く質問、地域名つきの質問、「おすすめ」を聞く質問を混ぜると、動く質問と動かない質問を切り分けられます。
手順2:同じ質問を、ChatGPTやGeminiなど複数のAIに同じ条件で聞きます。聞くたびに回答が変わるので、1回で判断せず、できれば週に複数回、同じ曜日・同じ時間帯に繰り返してください。
手順3:回答文に自社名が出たかどうかを、回ごとに○×で記録します。競合名だけの回を自社の言及に入れないことが重要です。
手順4:月ごとに「言及回数/観測数」で集計します。割合だけでなく、必ず観測数も一緒に残してください。
手順5:数ポイントの上下に反応せず、最低でも1か月分以上たまってから比べます。設問を途中で入れ替えると推移が比べられなくなるので、変えないのが原則です。
Search Consoleの生成AIレポートとあわせて見る
Googleの公式ガイド(2026年7月10日更新)では、AI機能での表示状況を確認する手段として、Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポートが案内されています。AI OverviewsやAIモードに表示されたサイトは、Search Consoleの検索トラフィック全体に含まれる、という説明も公式ページにあります。
同じガイドには、「第三者のツールはGoogleの内部のランキングやAIシステムにアクセスできない」という趣旨の注意も書かれています。AccessGEOも外部から質問して回答を記録する方式で、Googleの内部データを見ているわけではありません。公式データと外から見た回答の記録は役割が違うので、併用がおすすめです。
毎月の記録を続けるのが難しいときは
観測の設計と集計を毎月続けるのは、日々の業務のなかでは負担になりがちです。AccessGEOは、ChatGPT・Gemini・Google AI Overviewsの3つを定点観測し、月次レポートで届けるサービスです。
対応しているAIは3種類に限られる点は、先ほど書いたとおりです。まずは自社の現在地を知りたいという段階であれば、無料診断で結果の出方を見ることもできます。
よくある質問
Q1. AI検索の露出は、何か月で変わりますか?
AccessGEOの自社データでは、3か月(89日間)で全体の言及率はほぼ横ばいでした。変わり方は質問によって大きく違い、いつまでに何ポイント上がる、とは断定できません。
1回の測定では判断できないため、同じ質問を同じ条件で、最低でも1か月以上続けて比べることをおすすめします。
Q2. 週ごとに数字が上下して不安です。
今回のデータでも、週別の言及率は25.0%〜31.0%の幅で上下しました。1週間分の観測数が少ないと、数ポイントの差は誤差の範囲に収まりやすいので、月単位で見るのが安全です。
Q3. 自社でも同じ測定はできますか?
できます。質問を固定して複数のAIに繰り返し聞き、自社名の有無を記録して、観測数と合わせて月ごとに集計する、という手順を守れば再現できます。
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まとめ
2026年7月4日〜9月30日の89日間(観測82日・2,437回)で、AccessGEOの自社の言及率は7月27.1%、8月27.2%、9月28.0%とほぼ横ばいでした。ソース別でも、Gemini・OpenAI・AI Overviewsのどれも大きくは動いていません。
動いたのは県域SEOの設問などごく一部で、それも9月上旬の31.0%から後半の17.8%へ戻っています。社名で聞く設問は92〜95%で安定し、一般的な「おすすめ」「選び方」の6設問は3か月間ずっと0%でした。
数字を読むときは、観測数と期間を必ず添え、数ポイントの上下に一喜一憂しないことが大切です。AIの回答は毎回変わるため、短い期間の変化を成果と決めつけず、同じ条件で観測を続けて確かめてください。
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