GA4でAI流入を確認する一番早い方法は、「レポート → 集客 → トラフィック獲得」を開き、ディメンションを「セッションの参照元 / メディア」に切り替えて、検索窓に chatgpt.com と入力することです。所要3分で、ChatGPT経由のセッション数がその場で出ます。
さらに2026年5月、GA4のデフォルトチャネルグループに「AI Assistant」というチャネルが追加されました。ChatGPT・Gemini・Copilotなどからの流入は、こちらの設定なしで自動的にこのチャネルへまとめられます。
ただし、この2つだけではAI流入の全体像は掴めません。この記事では確認手順を3段階に分けて説明したうえで、GA4では原理的に見えない部分と、その埋め方までを扱います。GEO(Generative Engine Optimization=AIの回答に自社が載るようにする取り組み)を始めたばかりのWeb担当者・経営者の方を想定しています。
記事執筆者:認定SEOコンサルタント 三田健司
まず3分で。GA4でAI流入を確認する最短の手順

トラフィック獲得レポートで参照元を検索する
設定を何も変えずに、いまあるGA4のまま確認できます。次の手順です。
- GA4の左メニューから「レポート」→「集客」→「トラフィック獲得」を開く
- 表の1列目の見出し(初期状態は「セッションのデフォルトチャネルグループ」)をクリックし、「セッションの参照元 / メディア」に変更する
- 表の右上にある検索窓に
chatgptと入力する - 期間を右上のカレンダーで「過去28日間」以上に広げる
これで chatgpt.com / referral という行が出れば、ChatGPTの回答に貼られたリンクから人が来ています。同じ操作を perplexity、gemini、copilot、claude でも繰り返せば、主要なAIサービスからの流入がひととおり確認できます。
検索窓に入れるべき代表的なドメイン
AIサービスは新旧のドメインが混在しています。取りこぼしを防ぐために、次のあたりを一度ずつ確認しておくと安全です。
- ChatGPT:chatgpt.com、chat.openai.com
- Perplexity:perplexity.ai、www.perplexity.ai
- Gemini:gemini.google.com
- Microsoft Copilot:copilot.microsoft.com
- Claude:claude.ai
- その他:grok.com、deepseek.com、you.com
ChatGPTは2025年以降、回答内の外部リンクに utm_source=chatgpt.com というパラメータを付けて送り出すケースがあります。そのため「セッションの参照元」に chatgpt.com が入りやすく、比較的追いやすいAIです。
数字が小さくても、そこで判断を止めない
最初に見たときの数字は、多くの中小企業サイトで月に数セッション〜数十セッション程度です。少なすぎて意味がないと感じるかもしれませんが、AI経由の流入は後述する理由で実際より少なく記録される構造になっています。表示された数字は下限値だという前提で見てください。
2026年5月に追加された「AI Assistant」チャネル
メディアが自動で ai-assistant に書き換わる
Googleは2026年5月、GA4のデフォルトチャネルグループに「AI Assistant」を追加しました。公式ヘルプには、AI Assistantは「ChatGPT、Gemini、Deepseek、Copilot、Grok などのソースからユーザーがサイトに到達したチャネル」と書かれています。
判定ロジックも公開されています。参照元がGoogleの持つAIアシスタントのリストに一致すると、メディア(medium)が ai-assistant、キャンペーンが (ai-assistant) に自動でセットされ、AI Assistantチャネルに分類されます。サイト側の設定作業は不要です。
AI Overviews と AIモードは含まれない
ここが誤解されやすい点です。公式ヘルプは、AI Assistantチャネルについて「GoogleのAI OverviewsとAIモードは除外する」と明記しています。
ではAI Overviews経由のクリックはどこに入るのか。同じ公式ヘルプのOrganic Searchの定義に「GoogleのAI OverviewsとAIモードを含む」と書かれています。つまりAI Overviewsからの流入は、通常の自然検索と同じ箱に入っていて、GA4だけでは切り分けられません。
Perplexity は名指しされていない
公式ヘルプが例示しているのはChatGPT・Gemini・Deepseek・Copilot・Grokの5つで、Perplexityの名前はありません。実際にPerplexity経由のセッションが従来どおりReferralに残っているという報告も複数あります。
リストの中身は非公開で、今後変わる可能性もあります。自社のプロパティでPerplexityがどちらに入っているかは、手順①の参照元検索で実際に確かめるのが確実です。次に説明するカスタムチャネルグループを作っておけば、この不確実性を自分の手元で吸収できます。
手順①:既定レポートで AI Assistant チャネルを確認する

集客レポートから3クリックで出る
AI Assistantチャネルが自分のプロパティに来ているかは、次で分かります。
- 「レポート」→「集客」→「トラフィック獲得」を開く
- 1列目のディメンションが「セッションのデフォルトチャネルグループ」であることを確認する
- 表の中に「AI Assistant」という行があるか探す
行が見当たらない場合、原因は2つ考えられます。ひとつは対象期間にAI経由のセッションが実際にゼロだったケース。もうひとつは期間の始まりがチャネル追加より前で、データ側に値が入っていないケースです。
期間は最低でも28日、できれば90日でとる
AI流入は日次で見ると0か1かの世界になりがちで、増減の判断ができません。月次のレポートに載せるなら28日、傾向を語るなら90日を推奨します。
あわせて、2列目のディメンションに「ランディングページ」を足しておくと、どの記事がAIから読まれているかが見えます。より自由な分析は、後述の手順③で扱う探索レポートで行えます。
手順②:カスタムチャネルグループで「AI流入」を独立させる
Google公式が手順を案内している
デフォルトのAI Assistantチャネルは編集できません。Perplexityなど自社で足したいサービスがある場合は、カスタムチャネルグループを作ります。Googleのヘルプにも「例:AIアシスタント」という項目で手順が載っています。
- 「管理」→「データの表示」→「チャネルグループ」を開く(編集者以上の権限が必要)
- 「新しいチャネルグループを作成」をクリックする
- 「新しいチャネルを追加」でチャネル名を「AI assistants」などにする
- 条件で「正規表現に一致」を選び、対象にしたいAIサービスのURLに合う正規表現を入力する
- 保存する
Googleが例示している正規表現には .*chatgpt.*、.*\.openai.*、.*gemini.*、.*copilot.*、.*perplexity.* などが含まれています。実運用では claude、grok、deepseek を足しておくと取りこぼしが減ります。
並び順を Referral より上にする
設定でいちばん間違えやすいのがここです。GA4のチャネルは上から順に判定され、最初に条件に合ったチャネルへ振り分けられます。
作ったAIチャネルがReferralより下にあると、AI流入がReferralに吸い込まれて一件も入りません。公式ヘルプも「Referralより上に来るよう並べ替える」と明示しています。作成後に「並べ替え」ボタンでドラッグして位置を上げてください。
標準プロパティは2グループまで/過去データにも適用される
無料の標準プロパティで作れるカスタムチャネルグループはデフォルトとは別に2つまで、1グループあたりのチャネルは50までです。枠が少ないので、目的を絞って作るのが無難です。
助かるのは、カスタムチャネルグループが過去データにさかのぼって適用される点です。今日作れば去年のAI流入も遡って見られます。ただし削除は取り消せず、BigQueryのエクスポートには含まれません。

手順③:探索レポートで「どのページに着地したか」まで見る
自由形式レポートの最小構成
チャネル単位のセッション数だけでは、次に何を書けばいいかが決まりません。着地ページまで見ると打ち手が出ます。
- 左メニュー「探索」→「空白(自由形式)」を作成する
- ディメンションに「セッションの参照元」と「ランディングページ + クエリ文字列」を追加する
- 指標に「セッション数」「エンゲージメント率」「セッションのキーイベント数」を追加する
- 行に「ランディングページ」、列に「セッションの参照元」を置く
- フィルタで「セッションの参照元」+「正規表現に一致」+ AI各社のドメインを並べた正規表現を指定する
これで「どの記事が、どのAIから、何セッション読まれたか」が1枚の表になります。
セグメントとして保存して使い回す
同じ条件を「セグメント」として保存しておくと、他の探索レポートでも呼び出せます。AI経由のユーザーだけの直帰傾向や滞在時間を、通常の自然検索と比べたいときに便利です。
GA4だけでは追えない3つの穴

穴①:リファラーが落ちて「Direct」に入る
ChatGPTやPerplexityのスマホアプリは、外部リンクをアプリ内ブラウザで開くことがあります。このとき参照元の情報が渡らず、GA4では「(direct) / (none)」として記録されます。
AI経由なのにDirectに混ざる分がどれくらいあるかは、サイトの読者層や利用デバイスによって大きく変わります。厳密な補正は難しいので、AI流入の数字は「確実に取れている下限」として扱うのが安全です。
穴②:AI Overviews と AIモードは Organic Search に混ざる
前述のとおり、GoogleのAI OverviewsとAIモード経由のクリックはOrganic Searchに含まれます。日本の中小企業サイトでは、実務上いちばん接触が多いAI面がここである可能性が高く、しかもGA4では分離できません。
この部分は、Search Consoleの表示回数とクリック率の変化から間接的に推し量るしかありません。「表示回数は横ばいなのにクリック率が下がった」なら、AI Overviewsに答えを持っていかれている可能性を疑う、という読み方になります。
穴③:「AIに出たがクリックされなかった」は絶対に映らない
これが最も本質的な穴です。GA4はサイトに来た人しか記録できません。AIの回答の中で自社名が紹介され、読者がそれで納得して離脱した場合、GA4には何も残りません。
AI検索では「読まれたが訪問されない」が普通に起きます。GA4の数字がゼロでも、AIの回答内では紹介されているという状態は珍しくありません。逆も同じで、GA4だけを見ていると、AI上での存在感の変化に気づけません。

流入がゼロでも打ち手はある:実測データで見た「言及」と「流入」の差

60日1,776回の観測で見えたこと
私たちは自社サイト(株式会社アクセス・リンク)を対象に、ChatGPT・Gemini・Google AI Overviewsへ毎日同じ10設問を投げて記録しています。観測期間2026年7月4日〜9月7日の60日間・1,776回の観測で、自社が回答内で言及された割合は27.5%(489/1,776観測)でした。
内訳を見ると、同じ60日1,776回の観測でもソースによって差があります。OpenAI 31.7%(596観測)、Gemini 32.9%(590観測)、Google AI Overviews 18.0%(590観測)です。
一方で、同じ期間のGA4に記録されたAI経由の流入はごくわずかでした。つまりAI上で27.5%の頻度で名前が出ていても、GA4の数字にはほとんど反映されないということです。GA4の数字だけを根拠に「AI検索対策は効いていない」と結論づけると、判断を誤ります。
GA4は「結果」、モニタリングは「原因」
同じ60日1,776回の観測では、指名検索にあたる設問で93.8%、地域名を含む設問で84.2%・77.5%と高い言及率が出た一方、「SEOツールのおすすめは?」のような汎用・比較系の6設問は60日間すべてで0%でした。
この「どの質問で出ていないか」はGA4では絶対に分かりません。GA4が教えてくれるのは来訪という結果だけで、出ていない質問という原因は、AIに直接聞いて記録しないと見えないためです。
実務の順序としては、まずGA4で手順①〜③を整えて結果を測れるようにする。そのうえで、流入がゼロ・少数でも原因を掴むためにAI側の定点観測を足す。この2階建てが、いまのところ現実的な組み立てです。
よくある質問
AI Assistantチャネルが表示されません。設定ミスでしょうか?
設定は不要なチャネルなので、多くの場合は設定ミスではありません。対象期間にAI経由のセッションがなかったか、期間の始点がチャネル追加前かのいずれかです。まず期間を過去90日に広げ、それでも出ないなら参照元検索でchatgpt.comなどを直接探してみてください。
AI Overviews経由の流入だけを取り出す方法はありますか?
2026年9月時点で、GA4の標準機能では取り出せません。GoogleのヘルプでもAI OverviewsとAIモードはOrganic Searchに含まれると明記されています。Search Consoleの表示回数・クリック率の推移から間接的に推測するのが現状の方法です。
カスタムチャネルグループを作ると既存のレポートが壊れませんか?
カスタムチャネルグループはデフォルトチャネルグループとは別のディメンションとして追加されるため、既存レポートの数字は変わりません。ただし「プライマリチャネルグループ」に設定した場合は、その時点以降のデータに新しい定義が使われます。まずはプライマリに設定せず、単独のグループとして試すのが安全です。
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まとめ
GA4でAI流入を確認する手順を、あらためて3段階で整理します。
- 手順①:トラフィック獲得レポートで「AI Assistant」チャネルと参照元(chatgpt.com など)を確認する。設定不要・所要3分
- 手順②:カスタムチャネルグループを作り、Perplexityなど公式リストに入っていないサービスも拾う。並び順はReferralより上に置く
- 手順③:探索レポートで着地ページ×参照元の表を作り、どの記事がAIから読まれているかまで見る
そのうえで、GA4には3つの穴があることを覚えておいてください。アプリ経由でDirectに落ちる分、AI Overviews・AIモードがOrganic Searchに混ざる分、そして「AIに出たがクリックされなかった」分です。特に3つ目は、GA4の設計上どうやっても埋まりません。
まずは今日、手順①だけでも試してみてください。3分で終わります。そのうえで「AI上でどう紹介されているか」まで知りたくなったときに、定点観測という選択肢を思い出していただければと思います。
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