四半期のGEOレポートの読み方|7〜9月の82日・2,437回の実測データで解説

AI検索の実測データをダッシュボードと虫眼鏡とカレンダーで読み解くイメージ

四半期のGEOレポートは、「全体の言及率」だけを見ると判断を誤ります。ソース別・設問別・月別に分け、必ず観測数とセットで読むのが基本です。

本記事では、AccessGEOが自社サイトで続けている2026年7月4日〜9月30日の観測ログ(82日分・2,437観測)を使って、レポートの読み方を順番に示します。全体の言及率は27.5%(669/2,437)でしたが、中身を分けると設問によって93.4%から0%まで大きく開いていました。

読み終えるころには、レポートを受け取ったときに最初に見る場所と、「動いた」と言ってよい基準が分かるはずです。なお、数値はいずれも当社サイト1件の観測結果であり、他社の結果や今後の成果を保証するものではありません。

記事執筆者:認定SEOコンサルタント 三田健司

目次

四半期でGEOレポートを読む意味|月次の数字だけでは見えないこと

棒グラフと折れ線グラフが載った積層レポートと時計を並べた、時間軸で数字を見るイメージ

GEOとは、ChatGPTやGeminiなどの生成AIの回答で自社が言及・引用されるよう整える取り組みのことです。その成果は順位表のように1つの数字では出ないため、定点観測の結果を一定期間まとめて読む必要があります。

四半期とは3か月、およそ90日のことです。月次レポートを3枚並べて「増えているのか、行ったり来たりしているのか」を判断する単位として、四半期はちょうど良い長さになります。

四半期は「揺れ」と「変化」を分けるための単位

AIの回答は、同じ質問を同じAIに聞いても毎回少しずつ変わります。そのため1回の結果には偶然が含まれ、前日より上がった下がったという話は、そのほとんどが揺れで説明できます。

一方で、3か月分を並べると、揺れの幅と「本当に動いた部分」の区別がつきやすくなります。四半期レポートの役割は、増減の理由を探す前に、その増減が揺れの範囲かどうかを判定することです。

1回の測定・1週間の測定では何が足りないのか

当社の観測では、全体の言及率を週ごとに集計すると25.0〜31.0%の範囲で動いていました(2026年7月4日〜9月30日、週ごとの観測数は異なります)。この幅を知らないまま1週間の数字だけを見ると、わずか数ポイントの上下に一喜一憂することになります。

同じ理由で、レポートを読むときは「いつからいつまでの、何回分の観測か」を最初に確認します。期間と回数が書かれていない数字は、良し悪しを判断する材料になりません。

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最初に確認する3つの数字|言及率・観測数・観測期間

レポートを開いたら、最初に見るのは全体の言及率、観測数、観測期間の3つです。この3つが揃って初めて、他の数字を読む土台ができます。

言及率は「分子÷分母」で読む

言及率とは、AIの回答の本文に自社名が含まれていた観測の割合です。観測とは、1つの質問を1つのAIに1回聞いて得た回答1件のことを指します。

今回の全体値は669/2,437で27.5%です。分母が大きい全体値は安定しますが、設問別やソース別に分けると分母は240〜270程度まで小さくなるため、1ポイント単位の差に意味を持たせないようにします。

観測期間と欠測日を確認する

2026年7月4日から9月30日までは89日間ですが、ログが残っているのは82日分でした。残りの7日は取得できなかった日で、こうした欠測は自動観測でも起こります。

欠測日があること自体は問題ではなく、書かれていないことが問題です。自分で観測するときも、測れなかった日は空欄のまま残し、後から数字を足したり補完したりしないほうが安全です。

ソース別に分けて読む|ChatGPT・Gemini・AI Overviewsは別物として扱う

次に、AIの種類ごとに言及率を分けます。同じ質問でも、ChatGPT・Gemini・Google AI Overviews(Google検索の結果上部に出るAI要約)では、答えの作り方が異なるためです。

ソース自社言及/観測数言及率
OpenAI(ChatGPT系)257/81731.5%
Gemini267/81033.0%
Google AI Overviews145/81017.9%

上の表は、2026年7月4日〜9月30日の82日分(2,437観測)をソース別に集計したものです。ChatGPT系とGeminiは3割強、AI Overviewsは2割弱という差がありました。

3ソースの差は「仕組みの違い」として読む

Googleの公式ガイドは、生成AI機能がGoogle検索の中核となるランキングと品質のシステムに根ざしていると説明しています。つまりAI Overviewsは、従来のSEOの評価と地続きで動いている部分が大きいということです。

またAI Overviewsは、検索ごとに必ず表示されるわけではありません。当社の週次レポートでは、2026年9月16日時点でAI Overviewsが表示されなかった割合は21.4%でした。表示されない回があるぶん、言及率が低めに出やすい点は割り引いて読みます。

月ごとのソース別推移を見る

月別では、Geminiが33.8%→30.8%→34.1%、OpenAI系が30.4%→32.2%→31.7%、AI Overviewsが16.9%→18.5%→18.3%でした(7月・8月・9月、各ソースの月間観測数は260〜290)。

どのソースも月ごとに2〜3ポイント動いていますが、この程度の上下は、先ほどの週別レンジと同じく揺れの範囲と判断できます。ソースごとの水準の違いのほうが、月ごとの変化よりずっと大きいことが分かります。

なお、当社のOpenAI系の観測はAPI経由で質問した結果です。ChatGPTの画面で人が質問したときの回答と完全に一致するとは限らない点は、正直に断っておきます。

設問別に分けて読む|平均27.5%が隠していた二極化

円グラフ・棒グラフ・チェックマークの盾が並ぶ3つの円盤を線でつないだ、指標を分けて見るイメージ

全体の言及率で最も誤読が起きやすいのが、この設問別の違いです。27.5%という数字は「どの質問でも3割弱で出てくる」という意味ではありません。

設問の種類自社言及/観測数言及率
自社名を直接尋ねる設問227/24393.4%
地域名+MEOの設問206/24384.8%
地域名+ホームページ制作の設問187/24476.6%
県域名+SEOの設問49/24420.1%
「おすすめ」「選び方」「集客」など一般的な6設問0/1,4630.0%

2026年7月4日〜9月30日の2,437観測を設問別に分けると、このように分かれました。高い設問と0%の設問がほぼ同じ数だけ平均を引っ張り合い、27.5%という中間の数字ができています。

平均値だけでは優先順位が決まらない

自社名を直接聞かれれば93.4%で出てくるのは、AIが自社を「知っている」ことの確認にすぎません。事業を伸ばすという意味で見るべきは、まだ名前を知らない人が探すときの質問、つまり地域名や「おすすめ」を含む質問です。

レポートを読むときは、設問を「指名」「地域」「一般」のように性質で束ね、それぞれの水準を別々に確認します。束ねずに平均だけを追うと、指名で出ている安心感が、一般の質問で出ていない課題を隠してしまいます。

0%の設問は「失敗」ではなく「まだ届いていない領域」

当社では、一般的な6設問が82日間すべて0%でした(0/1,463観測)。これは、AIが比較・推薦の質問に答えるときの情報源に、まだ当社が入っていないということを示しています。

0%が続く設問は、数字が動かないことで逆に「この領域は別の施策が必要だ」という判断材料になります。小さな上下を追うのではなく、どの設問を次の90日の狙いにするかを決めるための情報として使います。

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月別の推移の読み方|増減が「変化」か「揺れ」かを見分ける

次に、月ごとの推移を見ます。全体の言及率は、7月が27.1%(211/780)、8月が27.2%(214/787)、9月が28.0%(244/870)で、ほぼ横ばいでした。

全体は横ばいでも、内訳は動いていることがある

全体が横ばいでも、設問別に見ると動いているものがあります。県域名+SEOの設問は、7月が17.9%(14/78)、8月が17.7%(14/79)、9月が24.1%(21/87)と、9月に上がっていました。

ただし、ソース別に分けるとGeminiが38.5%→19.2%→44.8%、OpenAI系が15.4%→33.3%→27.6%と大きく上下し、AI Overviewsは3か月とも0%です(各月の観測数は26〜29)。

この設問では、9月に上がったように見えても、分母が小さく、ソースごとに動きが揃っていない以上は「上がった可能性がある」と書くのが限度です。変化と呼ぶには、同じ方向の動きが2か月以上続き、かつ複数のソースで揃っていることを条件にしています。

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途中経過と月末の数字は違うことがある

同じ県域名+SEOの設問は、9月16日時点の集計では31.1%でした。月末まで観測を足した確定値は24.1%で、約7ポイント下がっています。

月の途中の数字は分母が小さく、たまたま出た日が数日続くだけで大きく振れます。レポートを読むときは、月途中の速報値を「結論」として扱わず、月が閉じてから評価するほうが安全です。

週別・曜日別のばらつきを「基準線」にする

地図ピンと虫眼鏡と上向きの矢印で地域の指標の変化を確かめるイメージ

推移を読むときの物差しとして、普段どれくらいばらつくかを知っておくと役に立ちます。これを基準線と呼ぶことにします。

週別・曜日別のレンジを知る

全体の言及率を週ごとに集計すると、最低が25.0%、最高が31.0%でした(2026年7月4日〜9月30日、2,437観測。最初と最後の週は日数が足りない週です)。

曜日別では、水曜の29.1%から木曜の26.1%の範囲に収まり、曜日による明確な差は見られませんでした。日曜26.5%、月曜27.9%、金曜28.3%といった差も、揺れの範囲です。

基準線より小さな変化には結論を出さない

この観測では、全体値が27%前後を中心に±3ポイント程度は日常的に動いていました。基準線の幅の内側にある変化は、施策の成否を判断する材料にしないことを、レポートを読むときの約束にしています。

逆に、基準線を大きく超える変化が複数の月で続くときは、サイトの更新や外部の変化など、原因を調べる価値が出てきます。変化の大きさを、揺れの幅との比で考えるわけです。

Google公式の指標とあわせて読む|Search Consoleの生成AIレポート

自社で行う観測だけでなく、Googleが提供する公式のデータも併せて見ると、読みの精度が上がります。ここではGoogle Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポートを取り上げます。

公式レポートで分かること・分からないこと

Googleのヘルプによれば、このレポートが示すのは「生成AI機能の中で、自サイトへのリンクが表示された回数」、つまり表示回数のみです。対象はAI OverviewsとAI Modeで、クリック数などは含まれません。

また、最新のデータは暫定値で数時間のうちに変わりうること、すべてのプロパティで使えるわけではなく順次提供されていることも注記されています。自社のサイトで使えるかどうかは、Search Consoleの画面で確認が必要です。

自社の観測とSearch Consoleの役割分担

Googleの公式ガイドには、「サードパーティのツールはGoogleの内部のランキングやAIのシステムにはアクセスできない」という趣旨の記述があります。当社の観測も、外から質問を投げて回答を記録する方式であり、Googleの内部データを見ているわけではありません。

そのため、役割は次のように分けて考えます。Search Consoleは「Google上で実際に何回表示されたか」の事実、外部観測は「どの質問でどのAIに出る・出ないか」の広がりを示すもので、どちらかが正解というより、互いの死角を補う関係です。

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自分で四半期レポートを作る手順と、続けるときの注意

ノートPCのグラフと虫眼鏡とカレンダーで四半期を振り返るイメージ

ここまでの読み方は、特別な道具がなくても自分で再現できます。小さく始めるなら、次の手順で四半期分のデータをためてみてください。

スプレッドシートでできる最小の手順

  1. 自社を探すときの質問を10問決めて固定する(指名・地域・一般の3種類を混ぜる)。
  2. 同じ日に、ChatGPT・Gemini・Google検索(AI Overviews)に同じ質問を入力する。
  3. 回答の本文に自社名があれば○、なければ×を記録する。
  4. 日付・質問・AIの種類・○×をスプレッドシートに1行ずつ残す。
  5. 四半期末に、全体・ソース別・設問別・月別の4通りで「○の数÷観測数」を集計する。

この手順だと、1回で10問×3種類の30観測になります。週1回続ければ、90日で約12回、およそ360観測がたまります。

ただし分母が小さいため、設問別・ソース別の細かい比較は、先ほど見たように揺れの影響を受けます。まずは「指名」「地域」「一般」の3区分だけを見るのが現実的です。

手作業の限界と、AccessGEOの位置づけ

手作業の弱点は、続けにくいことと、日による回答の揺れを均すだけの回数を確保しにくいことです。当社は毎日自動で10設問を3ソースに投げており、82日で2,437観測を取得しました。

観測にかかったAPI等の実コストは、82日分で約24ドル、1日あたり約0.29ドルでした。AccessGEOはこの定点観測を代行し、月次レポートとして届けるサービスです。

一方で、観測対象はChatGPT・Gemini・Google AI Overviewsの3種に限られ、PerplexityやClaudeなど他のAIは含まれません。また、ここで示した数字は当社サイト1件の結果であり、読者の会社の結果を予測するものではありません。

次の90日の打ち手を決める

四半期レポートを読んだら、次の90日で狙う設問を1〜2個に絞ります。当社の場合は、地域・MEO系がすでに高く、0%の一般設問が最大の伸びしろです。

Googleの公式ガイドは、AI専用のテキストファイルなどを新たに作る必要はないと明記しています。そのため打ち手は、会社概要・実績・執筆者の情報など、検索全般の品質を高める基本的な整備が中心になります。成果の出方は状況によって異なり、必ずAIに表示されると約束できるものではありません。

よくある質問

四半期レポートは月次レポートと何が違いますか?

月次レポートは「直近1か月の状況」を確認するもので、四半期レポートは月次を3か月分並べて「方向」を判断するものです。月次では揺れに見えるものが、四半期だと横ばいか上昇かの区別がつく場合があります。

言及率は何%あれば良いのですか?

一律の基準はありません。当社の場合も、指名の質問は93.4%、一般的な質問は0%と、設問によって大きく違いました。全体の数字ではなく、狙っている設問の水準が過去の自社の数字と比べてどう動いたかを見るのが現実的です。

小さな会社でも四半期ごとに見る意味はありますか?

あります。むしろ、問い合わせ数が限られる会社ほど、AI経由の動きを他の指標から読み取れないため、観測データが判断材料になります。まずは月1回の手動確認でも、3か月分たまれば傾向が見えます。

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まとめ

四半期のGEOレポートは、全体の言及率だけで判断せず、ソース別・設問別・月別に分け、観測数と期間を添えて読むのが基本です。当社の実測では、全体27.5%(2026年7月4日〜9月30日、82日分・2,437観測)の内側に、93.4%から0%までの二極化がありました。

また、週別25.0〜31.0%という揺れの幅を知っておけば、小さな上下に一喜一憂せずに済みます。変化と呼ぶのは、基準線を超える動きが複数の月で、複数のソースで揃ったときだけにするのが安全です。

まずは自社の質問を10問決めて、3か月分の記録をためてみてください。続けるのが難しいときは、観測と月次レポートの作成を任せるという選択肢もあります。

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この記事を書いた人

三田健司のアバター 三田健司 株式会社アクセス・リンク 代表取締役/SEO・GEOコンサルタント

株式会社アクセス・リンク代表取締役。(社)全日本SEO協会 認定SEOコンサルタント。AI検索の露出を毎日観測するツール「AccessGEO」の開発者。

2011年に副業でWebサイト運営を始め、数百サイト・数千記事を自ら作成・運用してきました。2017年に独立した直後、Googleの医療健康アップデートで運営サイトの順位が大きく落ちた経験から、「誰が、どんな根拠で書いているか」を重視する検索エンジンの評価基準(E-E-A-T)を軸にしたSEOに取り組んでいます。

2021年に株式会社アクセス・リンクを創業。ホームページ制作と、SEO・MEO・GEO(生成AI検索への最適化)のコンサルティングを、クリニック・歯科医院・パーソナルジム・EC・地域の事業者など幅広い業種に提供しています。

現在は、ChatGPTなどの生成AIが自社や競合をどう紹介しているかを毎日観測し、その一次データをもとにAI検索時代の集客を研究・発信しています。このブログに掲載している実測データは、すべて自社で観測したものです。

株式会社アクセス・リンク 公式サイト
(社)全日本SEO協会 認定SEOコンサルタント

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