ローカルAI検索とは|地域名つきの質問でAIが見ているもの【92日2,737観測の実測】

地域の街並みの地図に大きなオレンジのピンが立ち、AIのチャット吹き出しが周囲に浮かぶイラスト(ローカルAI検索のイメージ)

ローカルAI検索とは、「下野市でおすすめのホームページ制作会社は?」のように地域名を入れてAI(ChatGPT・Gemini・Google AI Overviewsなど、回答を文章で生成する検索)に質問し、その地域の事業者を答えてもらう使い方のことです。この記事での呼び名で、公式な用語ではありません。

AccessGEOが自社を毎日観測した2026年7月4日〜10月15日(92観測日・2,737観測)では、同じ会社でも質問に入れる地域名によって、名前が出る割合(言及率)が77.0%から0.0%まで変わりました。AIは地域名を、場所と事業内容が合っているかを確かめる手がかりとして使っているように見えます。

この記事では、地域名つきの質問でAIが何を見ているのかを、Google公式の情報と自社の実測で整理します。そのうえで、自分で確認する手順と、直す場所まで紹介します。実測結果そのものの詳細は別の記事にまとめているので、ここでは仕組みの理解に絞ります。

記事執筆者:認定SEOコンサルタント 三田健司

目次

先に結論|ローカルAI検索とは、地域名つきの質問に「場所と事業内容が合う会社」を答える検索

地図のタイルの上の店舗にオレンジのピンが立ち、チャットの吹き出しへ線がつながるイラスト(ローカルAI検索の定義)

ローカルAI検索の定義と、MEOとの違い

ローカルAI検索は、地域名と事業内容を組み合わせた質問に、AIが文章で事業者を紹介する検索です。地図アプリの検索結果が「一覧」で返るのに対し、AIの回答は「候補の文章」で返ります。

MEO(Googleマップ上の検索で上位に表示させる対策)は地図の一覧を対象にしますが、ローカルAI検索では地図の情報とWebページの情報が混ざった文章が答えになります。そのため、地図だけを整えても、Webページ側の情報が弱いと名前が出ない場合があります。

この記事で分かること

外部の調査とGoogle公式の説明から、AIが地域質問に答えるときの流れを整理します。続いて、自社の92観測日の実測から、地域名・AIの種類・出典の3つの切り口で結果を紹介します。

最後に、地域名つきの質問を自分で測る手順と、情報を直す場所をまとめます。順位や表示を保証するものではなく、確認と改善の進め方を示すものです。

根拠と限界|1社・10問・3ソースの結果です

ここで紹介する数字は、AccessGEOの運営会社(栃木県下野市)を、10の質問と3つのソース(ChatGPT系・Gemini・Google AI Overviews)で観測した結果です。業種や地域が違えば、同じ結果になるとは限りません。

また、実測は質問文に地域名を書いたケースだけで、利用者の現在地情報をAIに渡した場合の挙動は測っていません。この点は後半のよくある質問でも触れます。

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ローカルAI検索の仕組み|地図の検索結果とAIの回答は何が違うのか

左に複数のピンがある地図と一覧、右にAIが文章を生成するチャット画面が並ぶイラスト(地図検索とAIの回答の違い)

地図の検索は「一覧」、AIの検索は「文章」

地図の検索では、距離・評価・情報の充実度などをもとに、事業者が一覧で並びます。利用者は一覧から自分で選び、詳細を開きます。

AIの検索では、質問の意図に合う事業者がAIによって選ばれ、特徴の説明つきの文章として返ります。一覧と違い、選ばれなかった事業者は画面に現れません。

AIが答えを作るときの流れ

Googleの公式ガイド「Optimizing your website for generative AI features on Google Search」によると、AI機能はGoogleの検索ランキングと品質システムを使い、関連する最新のWebページを検索インデックスから取り出して回答を作ります。このとき、元の質問に関連する複数の検索を同時に行う「クエリファンアウト」という手法も使われます。

地域質問でも同じ流れが働くと考えると、「下野市 ホームページ制作」のような質問から、関連する複数の検索が同時に行われ、その結果から事業者が選ばれることになります。検索インデックスに載っていない、またはスニペット(検索結果の説明文)つきで表示できないページは、そもそも材料になりません。

地図と検索の違いを詳しく知りたい方は、次の記事も参考にしてください。

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AIは地域質問で何を見ているのか|公式情報と調査から分かる手がかり

虫眼鏡で建物を見て、地図・Webページ・住所・評価のカードが周りに浮かぶイラスト(AIが地域質問で見る手がかり)

Googleは「検索インデックス」と「ビジネスプロフィール」を挙げている

前述のGoogle公式ガイドでは、AIの回答に、地域の事業者の情報が含まれることがあると説明されています。また、Merchant Center(商品情報の登録)のフィードやGoogleビジネスプロフィールが、商品やサービスをAIの回答や検索結果に表示させる助けになるとも書かれています。

つまり、Webサイトだけでなく、ビジネスプロフィールの情報もAIの材料になりえます。所在地・営業時間・カテゴリの誤りが、AIの回答での見え方に影響すると指摘する解説記事もありますが、これは公式の数値ではなく、解説者の見解として受け止めるのが安全です。

ChatGPTはWeb検索の結果から事業者を選ぶと報告されている

Search Engine Landが2025年5月に掲載した調査記事では、ChatGPTは地域の質問にBingの検索結果の上位20〜30件ほどを集め、その中から3〜5件を選んで紹介すると報告されています。事業者のサイト、地域のガイド、口コミサイトなどが材料になるという内容です。

ただし、この記事は一部でChatGPT自身の説明に基づいており、著者も慎重に受け止めるよう述べています。仕組みは変わる可能性があるため、「Web上の情報が材料になる」という大枠の理解にとどめ、細部は断定しないのが妥当です。

質問の地域名は「場所の一致」を確かめる手がかりになる

ここからは自社の実測にもとづく仮説です。AIは地域名を、質問者がどの場所の事業者を探しているのかを絞る手がかりとして使い、候補のページや掲載情報に書かれた所在地・対応エリアと照らし合わせているように見えます。

次の章から、その仮説を裏づける(あるいは確かめきれない)実測の結果を、順に紹介します。

実測①|同じ会社でも、質問の地域名で言及率が77.0%から0.0%まで変わった

地図上に同心円の地域があり、中心に最も高い棒グラフが立つイラスト(地域名で言及率が変わる実測)

5つの質問の言及率

2026年7月4日〜10月15日(92観測日・2,737観測)に、自社(株式会社アクセス・リンク)の名前が回答に出た割合を、質問ごとに集計しました。地域名のない質問も1つ並べています。

質問言及された回数/観測数言及率
下野市でMEO・地図対策に強い会社は?232/27385.0%
下野市でおすすめのホームページ制作会社は?211/27477.0%
栃木県でSEOに強いホームページ制作会社は?56/27420.4%
宇都宮市でおすすめのホームページ制作会社は?0/2740.0%
中小企業向けのホームページ制作会社のおすすめは?(地域名なし)0/2740.0%

言及率は、回答に「アクセス・リンク」の名前が含まれた回数を、観測数で割ったものです。3つのソースの合計で、AIが自社を紹介したかどうかを見ています。

市の名前、県の名前、名前なしで結果が分かれた

所在地の「下野市」を入れた質問では、77.0〜85.0%と高い言及率でした。一方、同じ種類の質問でも、隣の「宇都宮市」では92日間で一度も名前が出ませんでした。

県名の「栃木県」では20.4%でした。月別に見ると、7月17.9%(14/78)、8月17.7%(14/79)、9月24.1%(21/87)、10月は15日まで23.3%(7/30)で、秋に少し上がっています。

なぜ分かれたのか|確かめきれていない部分もあります

考えられる理由は、自社の所在地が下野市であり、サイトやプロフィールにその地名が書かれていることです。質問の地域名と所在地が一致すると、AIが候補に入れやすくなる可能性があります。

ただし、宇都宮市での0.0%が「拠点が違うため」なのか、「その市の競合が多いため」なのか、実測だけでは切り分けられません。原因を断定せず、地域名が結果に強く影響した、という事実の範囲で受け止めてください。

同じ地域での実測を詳しく見たい方は、次の記事もあわせてご覧ください。

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実測②|地図系の質問でも、AIによって出方が大きく違った

3種類のAIロボットが同じ地図ピンを指し、それぞれ高さの違う棒グラフがあるイラスト(AIごとの言及率の違い)

下野市の2質問をAIごとに見る

言及率が高かった「下野市」の2つの質問を、ソース別に分けると、AIごとの差がはっきり出ました。

質問GeminiChatGPT系Google AI Overviews
下野市でMEO・地図対策に強い会社は?98.9%(90/91)97.8%(89/91)58.2%(53/91)
下野市でおすすめのホームページ制作会社は?96.7%(88/91)91.3%(84/92)42.9%(39/91)

どちらの質問でも、GeminiとChatGPT系は9割を超え、Google AI Overviewsは4〜6割にとどまりました。期間は2026年7月4日〜10月15日です。

Google AI Overviewsだけ低い理由|表示されない回が多かった

AI Overviewsは、質問によっては回答欄そのものが表示されないことがあります。「下野市でおすすめのホームページ制作会社は?」では、91回中52回で回答欄が表示されず、表示された39回では、39回すべてで自社の名前が出ていました。

「下野市でMEO・地図対策に強い会社は?」では、AI Overviewsが表示された73回のうち、53回(72.6%)で名前が出ています。表示されなかった観測も分母に含めているため、率が低く見えている面があります。

AIごとに差があるため、地域の確認は1つのAIだけで済ませず、複数のAIで行うことをおすすめします。

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実測③|名前が出ることと、自社サイトが出典に載ることは別だった

Webページと吹き出しが鎖でつながり、出典カードが下についたイラスト(言及と出典の違い)

出典に自社サイトが載った割合

言及(回答の文章に名前が出ること)とは別に、出典として自社サイトのURLが示された割合も集計しました。同じ期間(92観測日・2,737観測)の結果です。

質問出典に自社サイトが載った回数/観測数割合
下野市でMEO・地図対策に強い会社は?128/27346.9%
下野市でおすすめのホームページ制作会社は?88/27432.1%
栃木県でSEOに強いホームページ制作会社は?24/2748.8%
宇都宮市でおすすめのホームページ制作会社は?0/2740.0%

言及率より出典の割合が低い理由

下野市の制作会社の質問では、言及率77.0%に対して、出典に載った割合は32.1%でした。名前は出ても、自社サイトのURLは示されない回答が多いということです。

AIは、候補を他の掲載サイトの情報から拾い、事業者名だけを文章に書くことがあります。この場合、名前は出ても、利用者が自社サイトへ進む入口は作られません。

問い合わせにつなげるには、言及だけでなく、自社サイトが出典として選ばれる状態を目指す必要があります。そのためには、所在地・事業内容・実績を、自社サイトの1ページで読み取れる形にしておくことが近道です。

地域の同業サイトが出典に並ぶ質問もある

宇都宮市の質問では、出典に並んだのは宇都宮市や周辺の事業者の情報が中心で、自社サイトは92日間で一度も載りませんでした。地域名つきの質問は、その地域の事業者同士の競争になりやすい、と見ておくのが現実的です。

自分でできる確認方法|地域名つきの質問を3つのAIで測る手順

チェックリストのクリップボードと虫眼鏡、3つのチャット画面が並ぶイラスト(地域名つき質問を測る手順)

手順1|地域名を段階的に変えた質問を3〜5問つくる

まず、自社の所在地の「町名/市」「隣の市」「県」の3段階で、同じ事業内容の質問を作ります。例は「〇〇市でおすすめの△△会社は?」「〇〇県で△△に強い会社は?」のような形です。

1問だけで判断せず、地域名のない質問も1つ加えると、地域名の効き方を比べられます。

手順2|ChatGPT・Gemini・Google検索のAI Overviewsに、同じ質問を複数回聞く

AIの回答は毎回変わるため、同じ質問を日を変えて5回以上聞きます。ログインしない状態やシークレットウィンドウを使うと、過去の利用履歴の影響を減らせます。

位置情報はオフにし、質問文に地域名を書いたときの結果だけを比べてください。位置情報を渡すと、結果が変わる可能性があるためです。

手順3|言及と出典を別々に記録する

記録は、回答に自社名が出たか(言及)と、自社サイトのURLが出典にあったか(引用)を別の列に書きます。言及率は「出た回数÷質問した回数」で計算し、観測数も必ず添えます。

「20回聞いて、7回出た」のように回数で残すと、後から比べやすくなります。週に1回、同じ質問で続けると、変化が見えてきます。

この作業を毎日、複数のAIで続けるのは手間がかかります。AccessGEOは、この定点観測を代行し、月次レポートにまとめるサービスです。

地域名つきの質問で見つけてもらうために、直す場所

店舗をレンチで調整し、地図ピンと書類が横にあるイラスト(会社情報を直す場所)

サイト内の会社情報を、所在地・対応エリア・事業内容でそろえる

会社概要やトップページに、所在地、対応エリア、事業内容を同じ表記で書きます。ページごとに表記が違うと、AIが「どの場所の、何の事業者か」を読み取りにくくなります。

対応エリアが広い会社も、実際に対応できる地域を具体的に書くことが大切です。ただし、市ごとに内容のほぼ同じページを大量に作ると、Googleのスパムポリシー(スケールコンテンツの乱用)に触れるおそれがあります。

ビジネスプロフィールと外部の掲載情報を、サイトと一致させる

Googleビジネスプロフィールの所在地・営業時間・カテゴリ・サービス内容を、サイトの記載と一致させます。他の地域サイトや業界団体の掲載情報も、同じ表記に直しておきます。

AIがWebのさまざまな情報から事業者を判断するなら、情報がばらばらでないことが、読み取りやすさにつながります。

構造化データは必須ではないが、情報の整理には使える

Googleの公式ガイドは、「構造化データ(ページの内容を機械が読める形で記述する仕組み)は生成AI検索に必須ではない」と説明しています。また、AI向けの新しい専用ファイルを用意する必要もないと書かれています。

それでも、住所や営業時間を整理して書く作業そのものは、情報の食い違いを見つけるのに役立ちます。長期的には、他社の文章を言い換えただけでない、独自の内容を増やすことが効く、というのがGoogleの見解です。

会社概要ページの直し方は、次の記事で手順にまとめています。

よくある質問

空の吹き出しと電球、サポートデスクの人物のイラスト(よくある質問のイメージ)

ローカルAI検索とMEOは同じものですか?

同じではありません。MEOは地図検索の一覧での表示を対象にした対策で、ローカルAI検索は、地域名つきの質問にAIが文章で答える使い方を指します。ビジネスプロフィールを整えることはどちらにも役立ちますが、AIの回答ではWebページの情報も材料になります。

市ごとのページを作れば、その市の質問で出ますか?

出るとは言えません。Googleは、順位やAIの回答を操作する目的で、似た内容のページを大量に作ることをスパム行為として扱っています。実際に対応できる地域を、1つのページで具体的に書くほうが安全です。

利用者の現在地でも結果は変わりますか?

変わる可能性はありますが、自社の実測は質問文に地域名を書いたケースに限られており、位置情報を渡した場合は測っていません。「近くの」と聞いた場合の挙動は、この記事の範囲外です。

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まとめ

オレンジのチェックマークのフォルダと、旗の立った地図ピン、リボンで束ねた書類のイラスト(まとめのイメージ)

ローカルAI検索とは、地域名つきの質問に、AIが場所と事業内容の合う事業者を文章で答える使い方です。2026年7月4日〜10月15日(92観測日・2,737観測)の実測では、所在地の「下野市」を入れた質問で言及率77.0〜85.0%、「栃木県」で20.4%、「宇都宮市」で0.0%と、地域名で結果が大きく分かれました。

AIによる差も大きく、GeminiとChatGPT系は9割超、Google AI Overviewsは4〜6割でした。名前が出ても、自社サイトが出典に載る割合は32.1%にとどまりました。結果を保証する方法はありませんが、会社情報の表記をそろえ、複数のAIで定期的に測ることが、改善の出発点になります。

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この記事を書いた人

三田健司のアバター 三田健司 株式会社アクセス・リンク 代表取締役/SEO・GEOコンサルタント

株式会社アクセス・リンク代表取締役。(社)全日本SEO協会 認定SEOコンサルタント。AI検索の露出を毎日観測するツール「AccessGEO」の開発者。

2011年に副業でWebサイト運営を始め、数百サイト・数千記事を自ら作成・運用してきました。2017年に独立した直後、Googleの医療健康アップデートで運営サイトの順位が大きく落ちた経験から、「誰が、どんな根拠で書いているか」を重視する検索エンジンの評価基準(E-E-A-T)を軸にしたSEOに取り組んでいます。

2021年に株式会社アクセス・リンクを創業。ホームページ制作と、SEO・MEO・GEO(生成AI検索への最適化)のコンサルティングを、クリニック・歯科医院・パーソナルジム・EC・地域の事業者など幅広い業種に提供しています。

現在は、ChatGPTなどの生成AIが自社や競合をどう紹介しているかを毎日観測し、その一次データをもとにAI検索時代の集客を研究・発信しています。このブログに掲載している実測データは、すべて自社で観測したものです。

株式会社アクセス・リンク 公式サイト
(社)全日本SEO協会 認定SEOコンサルタント

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