FAQページは、お客様からよく聞かれる質問と答えを1ページにまとめたもので、AI検索の時代にも作る価値があります。
一方で、FAQ構造化データ(FAQPage)によるGoogle検索の「よくある質問」の表示は、2026年5月7日に終了しました。
つまり今は、マークアップで見た目を飾るよりも、質問と答えそのものの中身と書き方が問われる段階です。
この記事では、FAQ構造化データの現在の扱いをGoogleの公式情報で確かめたうえで、AIに引用されやすいQ&Aの書き方とFAQページの作り方を、当社が104日間・3,097回続けているAI検索の観測データもまじえて整理します。
記事執筆者:認定SEOコンサルタント 三田健司
FAQページとは|よくある質問を1か所にまとめたページ

FAQは「Frequently Asked Questions」の略で、日本語では「よくある質問」と呼ばれます。
料金、納期、対応地域、支払い方法など、問い合わせや来店の前にお客様が確かめたいことを、質問と答えの形で並べたページです。
FAQページが果たす3つの役割
1つ目は、お客様の迷いをその場で解消し、問い合わせや予約の手前で離れてしまうのを防ぐことです。
2つ目は、電話やメールで同じ質問に何度も答える手間を減らすことです。
3つ目は、検索エンジンやAIに対して、自社について「何を聞かれたら何と答えるか」をはっきり示すことです。
ヘルプページ・Q&Aコラムとの違い
ヘルプページは操作手順など「使い方」を説明するページで、Q&Aコラムは1つの疑問を1記事で詳しく解説するものです。
FAQページはその中間にあたり、申し込みや来店の前に多い質問を、短い答えで一覧できるようにしたページだと考えると整理しやすくなります。
AI検索の時代に見直したい理由
ChatGPTやGeminiには、「〇〇市で土日も対応してくれる工務店は?」のように、文章の形で質問する人が増えています。
質問の形で書かれたページは、質問の形で聞かれるAI検索と相性のよい書き方だといえます。
FAQ構造化データの今|Googleの「よくある質問」表示は2026年5月に終了

FAQ構造化データとは、ページ内の質問と答えを、検索エンジンが読み取りやすい決まった形式(schema.orgのFAQPage)で書き添えるコードのことです。
以前のGoogle検索では、これを入れると検索結果の下に質問がアコーディオン状に表示されることがありました。
2023年8月に対象が絞られ、2026年5月に表示が終了
Googleは2023年8月、FAQのリッチリザルト(検索結果の特別な表示)を、よく知られた信頼できる政府機関と保健・医療機関のサイトに限ると発表しました。
その後、Google検索セントラルの更新履歴によると、2026年5月8日にこの機能の廃止の告知が追加され、2026年5月7日以降はGoogle検索に表示されなくなりました。
さらに2026年6月15日には、表示されなくなったことを理由に、FAQリッチリザルトの説明ページ自体が削除されています。
効果の測り方も変わる
表示そのものがなくなったため、FAQ構造化データを入れても、検索結果での見え方は変わりません。
これまで「FAQの表示が出たか」でFAQページの効果を見ていた場合は、FAQページの閲覧数や、FAQを見た後の問い合わせ数など、別の数字で見ることになります。
FAQ構造化データは今も入れるべきか|残す・入れる・外すの判断

結論からいうと、新たに手間をかけて入れる優先度は低く、すでに入っているものは急いで外す必要もありません。
すでに入っている場合は、急いで外さなくてよい
Googleは2023年8月の発表の時点で、FAQPageのマークアップは外してもよいが、積極的に外す必要はないと説明していました。
あわせて、使われていない構造化データが検索で問題を起こすことはないとも述べています。
ただし、ページから消えた質問がマークアップにだけ残っている状態は、ページの内容と一致しないので直しておきましょう。
新しく入れるかは「Google以外」をどう見るかで決める
Googleの「生成AI機能向けのサイト最適化」のガイドは、生成AIの検索に構造化データは必須ではなく、特別なマークアップも不要だとしています。
一方、Google以外の検索エンジンやAIサービスがFAQPageをどう使っているかは、各社が詳しく公表しておらず、当社でも確かめられていません。
CMSのプラグインなどで手間なく出せるなら入れておく、手作業で時間をかけるならその時間を中身に回す、という判断が現実的です。
入れる場合の書き方と注意点
書き方は、JSON-LD(ページに埋め込む構造化データの書式)で、FAQPageの中に質問(Question)と答え(acceptedAnswer)を並べる形です。
Googleの構造化データの一般的なガイドラインでは、読者に見えない内容をマークアップしないことが求められています。
ページに表示している質問と答えと、同じ文面だけをマークアップしてください。
たとえば、次のように書きます(質問と答えは例です)。
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "FAQPage",
"mainEntity": [
{
"@type": "Question",
"name": "キッチンのリフォームは何日かかりますか?",
"acceptedAnswer": {
"@type": "Answer",
"text": "標準的な工事で3〜5日です。床の張り替えを含む場合は7日ほどかかります。"
}
},
{
"@type": "Question",
"name": "見積もりは無料ですか?",
"acceptedAnswer": {
"@type": "Answer",
"text": "はい、現地調査と見積もりは無料です。対応地域外の場合は交通費をご相談させていただきます。"
}
}
]
}
</script>
答えの文中に料金や期間を書くときは、ページ本文の数字と必ず一致させてください。

AI検索でFAQページが役に立つ理由

FAQのリッチリザルトがなくなっても、FAQページが役に立たなくなったわけではありません。
AI検索では、質問に対して答えをまとめて返すため、答えがはっきり書かれたページは材料として使いやすいと考えられます。
当社の観測データ:自社について答えている質問ほど名前が出る
当社は、2026年7月4日から10月27日まで、ChatGPT・Gemini・Google AI Overviewsに10種類の質問を毎日投げ、回答に当社の名前が出るかを記録しています(観測できた104日・3,097回。10月1日〜5日などの欠測日を除く)。
この期間に当社の名前が出た割合は全体で27.5%(852/3,097回)でした。
質問別に見ると、社名を入れた質問が91.6%、所在地の下野市のMEO(地図検索対策)の質問が85.4%、下野市のホームページ制作の質問が76.5%と高い一方、「中小企業向けのホームページ制作会社のおすすめは?」のような広い質問6種類は、104日間すべて0.0%でした。
名前が出ている質問は、社名や所在地など、当社のサイトに直接の答えが書かれている質問です。
これは観測の結果であり、FAQページがあったから出たと因果関係を示すものではありませんが、自社が答えを書いている質問ほどAIに拾われやすいという傾向とは矛盾しません。
AIの誤った説明を防ぐ材料にもなる
AIは、自社のサイトに書かれていないことを、他のサイトや似た会社の情報から推測して答えることがあります。
料金の目安、対応していない地域や業務、営業時間などをFAQで先に書いておけば、AIが参照できる正しい答えが自社のサイトに1つ増えます。
AIは「答えの一文」を探している
Googleの公式ガイドは、AIのために文章を細かく分ける(チャンキング)必要はなく、人のためにわかりやすく書けばよいとしています。
質問のすぐ下に結論を書くFAQの形は、まさに人にとってわかりやすい書き方であり、特別な対策ではありません。

載せる質問の集め方|社内にある「よく聞かれること」を拾う

FAQページの質は、どんな質問を載せるかで大きく変わります。
検索ツールで質問を探す前に、まずは社内に眠っている質問を集めましょう。
電話・メール・店頭の質問を書き出す
問い合わせの電話、問い合わせフォーム、来店時の会話で、同じことを聞かれた経験は必ずあります。
担当者に1〜2週間ほどメモを取ってもらうだけでも、FAQの候補がまとまって集まります。
検索とAIで実際に聞かれている質問を確かめる
Googleで自社の業種名を検索したときの「他の人はこちらも質問」や、ChatGPTに業種名と地域名を入れて聞いたときの回答も参考になります。
Search Consoleの検索パフォーマンスで、「〜とは」「〜 いくら」など質問の形をしたキーワードを探すのも有効です。
契約前の不安に答える質問を優先する
集めた質問は、料金、期間、対応範囲、保証、支払い、キャンセルなど、申し込みの前に不安になる項目から順に並べます。
答えにくい質問ほど、答えてある会社が選ばれやすくなります。
たとえば「追加料金がかかるのはどんなときですか」「途中で解約できますか」といった質問は、聞きにくいからこそ、先に答えてあると安心して問い合わせてもらえます。
AIに引用されやすいQ&Aの書き方

FAQの書き方で大切なのは、人が読んで一度で理解できることです。
その書き方が、結果としてAIにも内容を正しく伝えます。
質問はお客様の言葉で書く
「施工期間について」のような見出しではなく、「キッチンのリフォームは何日かかりますか?」と、お客様が実際に口にする文で書きます。
AIへの質問も同じように文章で入力されるので、言い回しが近いほど、その答えとして読まれやすくなると考えられます。
答えは最初の一文で言い切る
答えの1文目で結論を書き、2文目以降で条件や理由を補います。
「ケースによります」で始めるのではなく、「標準的な工事で3〜5日です。床の張り替えを含む場合は7日ほどかかります」のように、まず目安を示します。
数字・条件・例外を具体的に書く
料金や期間は、幅を持たせてもよいので数字で書きます。
「対応できない場合」も書いておくと、AIが自社について誤った説明をするのを防ぐ材料にもなります。
1つの質問に1つの答え、2〜4文で
1つの質問の中に「料金と期間と支払い方法」をまとめて答えると、どこに何が書いてあるかが分かりにくくなります。
質問は1つの論点に絞り、答えは2〜4文程度にまとめ、詳しい説明は別のページに任せるのが読みやすい形です。

FAQページの作り方|ページの構成と置き場所

質問と答えがそろったら、ページとして組み立てます。
小さな会社でも、次の順に進めれば迷わずに形にできます。
ステップ1:質問をテーマごとに分ける
「料金・お支払い」「期間・流れ」「対応地域」「アフター・保証」のように、4〜6のグループに分けます。
グループごとに見出しを立てると、読む人もAIも、どこに何が書いてあるかを追いやすくなります。
ステップ2:FAQページとサービスページの両方に置く
全体をまとめたFAQページを1つ作り、各サービスページにはそのサービスに関係する質問だけを3〜5問載せます。
同じ答えを複数のページに書くときは、文面と数字をそろえ、矛盾が出ないようにします。
ステップ3:答えから詳しいページへリンクする
答えの中で詳しい説明が必要なものは、料金表や施工事例などのページへリンクします。
FAQページが入口になり、サイト全体の情報がつながることで、自社の説明に一貫性が出ます。
ステップ4:更新日を決めて見直す
料金や営業日が変わったのにFAQが古いままだと、AIが古い情報で自社を説明する原因になります。
半年に1回など見直す時期を決め、変更があった項目はその日のうちに直す運用にしておきましょう。
やってはいけないFAQの作り方

FAQは手軽に作れる分、よかれと思った工夫が逆効果になることもあります。
ページに見えない質問をマークアップだけに書く
構造化データにだけ質問を書き、ページには表示しないのは、Googleの構造化データのガイドラインに反します。
リッチリザルトがなくなった今でも、ページの内容とコードは一致させてください。
検索キーワードを詰め込んだ質問を量産する
「〇〇市 リフォーム 安い おすすめ」のような、お客様が実際には口にしない質問を大量に並べても、読む人の役には立ちません。
Googleはスパムポリシーで、検索順位を操作することを主な目的に大量のページを作ることを問題視しています。質問の数を増やすこと自体を目的にしないことが大切です。
保証や断定の答えを書く
「必ず効果が出ます」「地域No.1」のような根拠のない断定は、景品表示法などの広告表示のルールに触れるおそれがあります。
医療・法律に関わる質問は、一般的な説明にとどめ、個別のケースは専門家に相談するよう案内してください。
他社のFAQや生成AIの文章をそのまま使う
同業他社のFAQを言い換えただけの答えや、生成AIで作った一般論をそのまま載せた答えには、自社ならではの情報がありません。
AIで下書きを作るのは構いませんが、自社の料金・条件・実例に書き直してから公開してください。
よくある質問

FAQの数は何問くらいが適切ですか
決まった数はありませんが、まずは問い合わせで実際に多い質問から10〜20問ほどで始めるのがおすすめです。
数を増やすことより、1問ごとの答えを具体的にすることを優先してください。
FAQ構造化データを入れると、AIに引用されやすくなりますか
そう言い切れる公式の根拠はありません。
Googleは生成AIの検索に構造化データは必須ではないとしており、ページに書かれた質問と答えの中身のほうが大切です。
既存のFAQ構造化データは削除したほうがよいですか
急いで削除する必要はありません。
Googleは使われていない構造化データが問題を起こすことはないと説明しています。ページの内容と食い違っている部分だけ直しておきましょう。
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まとめ

FAQページは、お客様からよく聞かれる質問と答えをまとめたページで、AI検索の時代にも作る価値があります。
ただし、Googleの「よくある質問」のリッチリザルトは2026年5月7日に終了しており、FAQ構造化データで検索結果の見た目を変えることはできなくなりました。
既存のマークアップは急いで外す必要はなく、新しく入れるかは手間との兼ね合いで決めれば十分です。
大切なのは、お客様の言葉で質問を書き、最初の一文で答えを言い切り、数字と条件を具体的に書くことです。
当社の104日間・3,097回の観測でも、AIの回答で当社の名前が出ていたのは、当社のサイトに直接の答えがある質問でした。
まずは社内でよく聞かれる質問を10問書き出すところから始めてみてください。
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