指名検索を増やせばAI検索での露出が上がる、と言い切れる根拠は、現時点ではありません。ただし「関係がありそうだ」と示す調査はあり、当社の自社観測でも、会社名を指定した質問では9割超でAIに名前が出ています。
この記事では、公開されている調査とGoogle公式ガイドで確認できることと、できないことを分けたうえで、当社AccessGEOが自社サイトで続けている86日・2,557観測(2026年7月4日〜10月9日)のデータを紹介します。そのうえで、指名検索をSearch Consoleで測る手順と、増やすのが目的ではなく「結果として増える」施策の考え方まで解説します。
先にお断りしておくと、当社は指名検索の件数とAI露出の変化を照らし合わせる分析を、この記事の時点では行っていません。因果関係を証明する記事ではなく、何が言えて何が言えないかを整理する記事です。
記事執筆者:認定SEOコンサルタント 三田健司
結論|指名検索とAI露出は「関係はありそう」だが、増やせば上がるとは言えない

言えることと言えないことを先に整理する
言えるのは、ブランド名が広く知られている会社ほど、AIの回答に名前が出やすい傾向が、第三者の調査で報告されていることです。会社名を指定した質問に対してAIが自社を答えられるかどうかは、当社の実測でもほぼ確実に確認できました。
言えないのは、指名検索の件数を増やす施策が、AI検索の露出を押し上げる原因になるという因果関係です。調査で見つかっているのは「一緒に動く傾向」であり、どちらが原因かは分かっていません。
この記事の数字は、自社1サイトの観測値
当社の数字は、株式会社アクセス・リンク(AccessGEOの運営会社)1社のサイトを、ChatGPT・Gemini・Google AI Overviewsの3種で観測したものです。10種類の質問を毎日投げ、回答に自社名が含まれたかを数えています。
1サイトの観測なので、他の会社にそのまま当てはまるとは限りません。傾向を考える材料としてお読みください。
指名検索とは何か|Googleでの指名と、AIへの指名の質問は別物
Googleの指名検索は「ブランド名や会社名で調べること」
指名検索とは、会社名・店名・商品名など、特定のブランドを名指しして検索することです。「アクセス・リンク 評判」のように、すでに名前を知っている人が行う検索を指します。
これに対して「栃木県 SEO 会社」のように、名前を知らない状態で調べる検索は一般検索と呼ばれます。指名検索の件数は、その会社の知名度や認知の広がりを測る目安として、SEOの現場でよく使われてきました。
AIへの「指名の質問」は、当社の観測で使っている設問の種類
当社の観測では、10種類の質問のうち1つが「株式会社アクセス・リンクの評判は?」という会社名を指定した質問です。この記事では、これをAIへの「指名の質問」と呼びます。
Googleでの指名検索の件数とは別のものなので、混同しないでください。後半の実測では、この指名の質問と、会社名を含まない一般的な質問で、結果がどれだけ違うかを比べます。
公開されている調査|Ahrefsの7.5万ブランド調査で分かること
ブランドの言及・指名検索とAI Overviews露出には相関がある
SEOツール大手のAhrefsは、約7万5,000のブランドを対象に、Google AI Overviewsでのブランド露出と各要因との相関を調べ、2025年5月に公開しています。同社の調査ページによると、相関係数は次のとおりです。
ブランド名のWeb上での言及が0.664、ブランド名を含むリンクのアンカーテキストが0.527、ブランド名の検索ボリュームが0.392、ドメインの強さを示すDRが0.326、被リンク数が0.218でした。ブランドの検索数は、被リンクよりも相関が高い結果です。
同社の記事によれば、別の調査者が報告したAIチャットボットでの言及とブランド検索数の相関(0.334)とも近い値だとされています。
相関は因果ではない|調査した側も明記している
Ahrefs自身が、調査ページで「相関は因果ではない」と明記しています。また、相関の強さはいずれも中程度から弱い範囲で、指名検索数だけでAI露出が決まるわけではないことも読み取れます。
考えられる説明は複数あります。指名検索が増えたからAIに出た可能性もありますが、AIに紹介されて名前を知った人が指名検索した可能性も、そもそも知名度の高さが両方を押し上げている可能性もあります。

Googleの公式見解|指名検索を要因として挙げていない

公式ガイドは「SEOの基本が引き続き重要」と述べている
Googleは、検索セントラルの「Optimizing your website for generative AI features on Google Search」で、生成AI機能は通常の検索のランキングや品質のシステムの上に成り立っていると説明しています。そのため、従来のSEOの考え方は引き続き有効だとしています。
このガイドには、指名検索やブランド検索を要因として扱う記述はありません。AIのための特別なファイルや特別なマークアップも不要と書かれています。
不自然な「言及」づくりは、思うほど効果がないと警告している
同じガイドでは、AI機能が各所での人々の評価を参照しうることに触れたうえで、作為的に言及を集めても、思うほど役に立たないと警告しています。指名検索を増やす目的で、やらせの口コミや不自然な露出を仕込むのは避けるべきです。
広告であることを隠した宣伝は、景品表示法のステルスマーケティング規制の対象にもなりえます。具体的な判断は、専門家にご相談ください。
当社の実測|会社名を指定した質問は9割超、一般質問は86日間0%
指名の質問92.9%に対して、一般質問は6設問すべて0%
2026年7月4日〜10月9日の86日・2,557観測で、自社名が回答に出た割合は全体で27.4%(701/2,557)でした。ソース別では、OpenAIが31.5%(270/857)、Geminiが32.8%(279/850)、Google AI Overviewsが17.9%(152/850)です。
設問別に見ると、会社名を指定した「評判は?」の質問が92.9%(237/255)でした。地域名つきの質問は、「下野市でMEO・地図対策に強い会社は?」が84.7%(216/255)、「下野市でおすすめのホームページ制作会社は?」が77.0%(197/256)と高くなっています。
一方、会社名も地域名も含まない一般的な質問、たとえば「SEOツールのおすすめは?」を含む6設問は、86日間すべて0%でした。AIは名前を知っている相手についての質問には答えられても、名前を挙げずに探す質問では自社を選んでいないことが分かります。
指名の質問をソース別に見ると、Geminiが100.0%(85/85)、OpenAIが98.8%(84/85)、Google AI Overviewsが80.0%(68/85)でした。名前を指定した質問でもAI Overviewsでは2割ほど出ない日があり、AIの種類によって答え方が違うことが分かります。
県域の質問は月ごとに動いたが、理由は特定できていない
「栃木県でSEOに強いホームページ制作会社は?」という県域の質問は、月別に7月17.9%(14/78)、8月17.7%(14/79)、9月24.1%(21/87)と推移しました。10月は9日までの12観測で2件にとどまり、参考値にはなりません。
この上昇の理由を、当社は特定できていません。指名検索の件数との関係も未検証のため、「指名検索が増えたから上がった」とは書けません。

自社の指名検索を測る方法|Search Consoleでブランド名のクエリを見る

まず現状を数字にする|ブランド名クエリの表示回数とクリック数
指名検索の件数は、Google Search Consoleで確認できます。「検索パフォーマンス」を開き、クエリのフィルタで会社名を「含む」に指定すると、ブランド名を含む検索の表示回数とクリック数が出ます。
会社名には表記ゆれがあるため、「アクセス・リンク」「アクセスリンク」「access-link」など、複数の表記を正規表現でまとめて指定するとよいでしょう。期間は、前の期間と比較できるように最低でも3か月分を見ます。
指名検索の数字を「週ごと」に記録しておく
Search Consoleのデータは、保存期間に上限があります。月に一度、ブランド名クエリの表示回数とクリック数を表にまとめておくと、後から推移を見返せます。
これを自社のAI露出の記録と並べて眺めるのが、次の項で説明する簡易検証の下準備になります。
指名検索を自然に増やす打ち手|目的ではなく「結果として増える」施策
名前を覚えてもらう接点を、正直な形で増やす
指名検索は、会社名を知った人が後から調べて初めて生まれます。業界メディアへの寄稿、導入事例の公開、セミナーや取材、地域の団体活動など、名前に触れる機会が増えるほど、結果として指名検索も増えるはずです。
会社名や店名の表記は、サイト・SNS・地図情報で統一しておきましょう。表記がばらばらだと、人もAIも同じ会社と認識しにくくなります。
会社情報を整えて、AIが参照できる状態にしておく
名前を知った人が検索したとき、公式サイトの会社概要が正確で読みやすいことも大切です。AIが会社名を調べる際に最初に当たるのも、会社概要のページになりやすいからです。
これはあくまで当社の見立てで、指名検索を増やす効果を保証するものではありません。確実に言えるのは、情報が不正確なままだと、せっかく名前を知った人を取りこぼすということです。
やってはいけないこと|検索数の水増しと作為的な口コミ
自社名を何度も検索する、知人に依頼して検索してもらうといった検索回数の水増しは、効果が確認されていません。Googleが想定する検索の使われ方でもなく、勧められません。
実在しない人物の口コミを書く、利害関係を隠して好意的な投稿を依頼するといった行為も同様です。信頼を失うリスクのほうが大きく、AIの回答にも良い影響を与える保証はありません。
指名検索とAI露出の関係を、自社で検証する方法

同じ表に並べて、3か月以上は眺める
検証の方法は単純です。指名検索の表示回数と、AIで自社名が言及された割合を、同じ期間・同じ間隔で表に並べ、一緒に動くかどうかを見ます。
当社の観測では、AI露出の日々の変動は小さくありませんでした。2026年9月16日時点の68日・2,017観測では、週ごとの言及率が24.8〜30.0%の範囲で上下しています。数日の動きで結論を出さず、3か月以上の推移で見るのが安全です。
表の作り方の例を挙げます。週ごとに、行を「指名クエリの表示回数」「指名クエリのクリック数」「AIでの自社言及率」「その週に行った施策」の4つにして、列を週にします。10分もあれば更新でき、3か月分たまると傾向が見えてきます。
「一緒に動いた」だけで原因と決めつけない
2つの数字が同じ向きに動いても、別の要因(新しい記事の公開、取材の掲載、季節要因など)が両方に効いているかもしれません。記録には、その期間に行った施策も一行で添えておくと、後で解釈しやすくなります。
AIの回答は毎日揺れるため、1回の確認では判断を誤ります。同じ質問を繰り返し測る点が、定点観測の考え方です。
よくある質問
Q1. 広告を出して指名検索を増やせば、AI検索の露出は上がりますか?
上がるとは言えません。広告で名前を知った人が増えれば、指名検索は増える可能性があります。ただし、それがAIの回答に自社名が出ることにつながるかは、当社では検証できておらず、第三者の調査でも因果は示されていません。
Q2. 指名検索が少ない会社は、AIに出られないのでしょうか?
そうとは限りません。当社の観測でも、会社名を含まない地域名つきの質問では、77.0%〜84.7%の割合で自社名が出ています。ただし、一般的な質問では0%のままの設問もあり、質問の種類によって大きく変わります。
Q3. AccessGEOで指名検索の件数を測れますか?
測れません。AccessGEOが測るのは、ChatGPT・Gemini・Google AI Overviewsの回答に自社名が出るか、引用されるかです。指名検索の件数はSearch Consoleで確認し、AI露出の記録と並べて見るのが現実的な使い方です。当社の観測対象が3種のAIに限られる点も、あらかじめご承知おきください。
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まとめ
指名検索とAI検索の露出には、第三者の調査で相関が報告されています。ただし、相関は因果ではなく、Googleの公式ガイドも指名検索を要因として挙げていません。
当社の自社観測では、会社名を指定した質問で9割超、会社名を含まない一般質問では6設問が86日間0%でした。名前が知られているかどうかは、AIの答え方に大きく影響している様子がうかがえます。
指名検索を直接増やそうとするのではなく、名前に触れる機会を増やし、会社情報を整えて、Search Consoleで指名検索を、定点観測でAI露出を、並べて測り続けるのが堅実です。自社のAI露出が気になる方は、まず無料診断で現状を確認してみてください。
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