栃木で会社を探している人が、ChatGPTやGeminiに「栃木県でSEOに強いホームページ制作会社は?」と聞いたとき、御社の名前は出てくるでしょうか。
当社が自社を対象に48日間・1,416回にわたってAIへ質問し続けたところ、答えは「地域名によって、まったく違う」でした。本社のある市の名前で聞けば8割近く出てくるのに、隣の市の名前に変えただけで48日間・1度も出てこない設問がありました。
この記事では、その実測データをそのまま公開しながら、栃木の中小企業がAI検索で見つけてもらうために今日からできることを、無料でできる手順から順に説明します。Web集客の担当者が自分で試せる内容にしています。
記事執筆者:認定SEOコンサルタント 三田健司
栃木のWeb集客に「AI検索」という新しい入口ができた

AI検索・GEOとは何か
GEOは Generative Engine Optimization の略で、ChatGPTやGeminiなどの生成AIが返す回答のなかに、自社が登場するようにする取り組みを指します。検索エンジンの順位を上げるSEOに対して、AIの回答文そのものに載ることを狙う考え方です。
似た言葉にLLMO・AEO・AIOがありますが、いずれもほぼ同じ領域を指しています。呼び方の違いにこだわる必要はありません。
検索結果とAIの回答では「枠の数」が違う
検索結果ページには10件のリンクが並びます。10位でも、スクロールすればクリックされる可能性は残ります。
一方でAIの回答は違います。「おすすめは?」と聞かれたAIが挙げる会社名は、多くの場合3〜5社程度です ここに入らなければ、その質問においては存在しないのと同じ扱いになります。
栃木のように事業者数が限られた商圏では、この違いは軽くありません。県内で数十社が競合する業種でも、AIが挙げるのは数社だけだからです。
【実測】栃木のホームページ制作会社をAIに聞くと何が返るか
48日間・1,416回の観測データ
当社(株式会社アクセス・リンク/栃木県下野市)は、自社を対象に毎日同じ10問をAIへ投げ、回答に自社名が出るかどうかを記録しています。
観測期間は2026年7月4日から8月24日までの48日間、観測回数は1,416回です。対象はOpenAI(ChatGPT系)、Gemini、Google AI Overviewsの3ソースです。
| 指標 | 実測値(2026-07-04〜08-24・48日・1,416観測) |
|---|---|
| 自社言及率 | 27.0%(382/1,416観測) |
| 自社引用率 | 19.9%(復元可能な946観測が分母) |
| AI Overviews非表示率 | 22.8%(470観測中107回) |
| ソース別の自社言及 | OpenAI 31.3%/Gemini 32.1%/Google AI Overviews 17.4% |
全体で見れば4回に1回強は名前が出ている計算になります。ただしこの平均値には、ほとんど意味がありません。
市の名前を1つ変えるだけで、露出が0%になった
設問ごとに分解すると、様子がまったく変わります。同じ48日・1,416観測から、地域に関する4つの設問だけを取り出したのが次の表です。
| AIへの質問 | 自社が言及された割合(48日・1,416観測) |
|---|---|
| 下野市でおすすめのホームページ制作会社は? | 77.5% |
| 下野市でMEO・地図対策に強い会社は? | 83.0% |
| 栃木県でSEOに強いホームページ制作会社は? | 16.9% |
| 宇都宮市でおすすめのホームページ制作会社は? | 0.0% |
当社の所在地は栃木県下野市です。その市名で聞かれれば8割前後で名前が出ます。
ところが 県名にすると16.9%、隣の宇都宮市にすると48日間・1度も出てきませんでした 宇都宮市は下野市の隣であり、営業エリアとしては完全に重なっています。それでも0%でした。
「誰の名前も出ない質問」と「他社の名前だけが出る質問」は別物
ここが実務上いちばん大事な分岐点です。0%という数字は、2つのまったく違う状況を隠しています。
当社のレポートでは、自社の言及率とは別に、追跡している8ブランドのいずれかが言及された割合も記録しています。この数字を並べると、状況の違いがはっきりします。
| AIへの質問 | 自社の言及率 | 追跡8ブランドのいずれかの言及率 |
|---|---|---|
| 宇都宮市でおすすめのホームページ制作会社は? | 0.0% | 67.6% |
| 栃木県でSEOに強いホームページ制作会社は? | 16.9% | 62.0% |
| 中小企業向けのホームページ制作会社のおすすめは? | 0.0% | 0.7% |
| ホームページ制作会社の選び方・比較ポイントは? | 0.0% | 0.0% |
宇都宮市の設問は、自社0.0%に対して追跡ブランドのいずれかは67.6%で登場しています つまりAIは会社名を挙げる気は十分にあり、そのリストに当社が入っていないだけです。ここは取りにいく価値があります。
一方で「選び方・比較ポイントは?」のような汎用的な質問では、追跡ブランドの言及率も0.0%でした。AIは会社名を挙げず、一般論で答えています。この種の質問に露出を狙うのは、労力の割に合いません。
狙う質問を選ぶことが、地方の中小企業にとっては最初の戦略になります。
なぜ隣の市に変えただけで出てこなくなるのか

AIは距離ではなく「地域名と結びついた情報の量」を見ている
宇都宮市で0%だった理由は、宇都宮から遠いからではありません。当社のWeb上の情報が、下野市という地域名とは強く結びついている一方で、宇都宮市という地域名とはほとんど結びついていなかったからだと考えられます。
AIが参照するのは、あくまでWeb上に存在するテキストです 会社概要の住所、実績紹介の文中、取引先の所在地、外部サイトでの紹介文。そうした断片の積み重ねが、地域名と社名のつながりを作ります。
逆に言えば、実際に商圏として営業している地域なのにWeb上にその記述が乏しいなら、そこは埋めやすい空白ということになります。
Google公式が言っていること
Google検索セントラルは、AI OverviewsやAIモードに表示されるための追加要件は存在せず、従来のSEOのベストプラクティスが引き続き有効だと説明しています。前提として挙げられているのは、Googlebotをブロックしていないこと、ページがHTTP 200を返すこと、インデックス可能なコンテンツであることの3点です。
構造化データについては、コンテンツの情報を機械が読める形で伝える手段として有用だとしています。
また2026年5月に更新された生成AI向けの最適化ガイドでは、llms.txt のようなAI専用ファイルの作成や、コンテンツの過度なチャンク化、構造化データの作り込みすぎは、Google検索向けには不要だと明言されています。
つまり、特別な裏技があるわけではありません。やるべきことは従来のSEOと大きく重なります。
栃木の中小企業が今日からできる3つの手順(費用ゼロ)

ツールを買う前に、まず自分で確かめてください。30分あれば現状はつかめます。
手順1:自社の商圏名でAIに聞いてみる
ChatGPT・Gemini・Google検索(AI Overviews)の3つで、次のパターンをそれぞれ試します。
- 「〇〇市でおすすめの{業種}は?」(本社のある市)
- 「〇〇市でおすすめの{業種}は?」(隣接する市・営業エリアの市)
- 「栃木県で{強み}に強い{業種}は?」
- 「{自社名}の評判は?」
1回で判断せず、最低でも1週間、1日1回ずつ記録します 当社の観測でも、同じ設問の同じ日でも3ソースのうち1つにしか出ない日が珍しくありませんでした。

手順2:出てきた会社の共通点を書き出す
自社が出てこなかった質問で、代わりに挙がった会社を3〜5社メモします。そのうえで、その会社のサイトを開いて確認します。
見るのは、地域名がどこにどう書かれているか、実績ページに市町村名が入っているか、外部メディアや団体のページに社名が載っているかの3点です。
たいていの場合、順位や規模ではなく、地域名と業務内容が同じページに具体的に書かれているかどうかで差がついています。
手順3:自社サイトの「地域名の書かれ方」を点検する
自社サイト内を「宇都宮」「小山」など商圏の市名で検索してみてください。ヒットがフッターの住所だけ、という会社は少なくありません。
対応エリアの列挙だけでは、AIにとって薄い情報にとどまります。その地域で実際に何をしたのかが書かれていることが重要です。
露出を作るために優先度が高い打ち手
会社概要と実績ページに商圏を実体として書く
「栃木県全域対応」と一行書くよりも、その市で実際に手がけた仕事を1件ずつ書くほうが効果的です。業種、課題、やったこと、結果を、地域名とセットで記述します。
社名・所在地・設立年・事業内容・代表者名は、表記を全ページで統一します 会社概要ページは、AIが企業情報を組み立てるときの土台になります。
第三者のページに載る
自社サイトだけで完結させないことです。商工会議所・商工会の会員紹介、自治体の事業者リスト、業界団体の名簿、取引先の導入事例、地域メディアの記事。こうした外部ページでの言及は、AIが情報の裏取りをするときの材料になります。
栃木の中小企業にとっては、全国的な知名度より地元での第三者言及のほうが現実的で、効きやすい領域です。
Googleビジネスプロフィールと構造化データ
地図検索の対策(MEO)とAI検索の対策は別物ですが、地域ビジネスでは土台が重なります。営業時間・住所・電話番号・事業カテゴリが正確に整っていることは、どちらにとっても前提条件です。
構造化データはOrganizationとLocalBusinessから始めれば十分です。前述のとおり、Googleは作り込みすぎを推奨していません。

1回測って終わりにしない

AIの答えは日によって変わる
AIの回答は毎回同じではありません。当社の観測でも、同じ設問が同じ週のなかで3回中3回出る日と、3回中1回しか出ない日が混在していました。
35日・1,050観測時点の記録では、地域系の設問が7月31日から8月5日にかけて55.6%まで落ち、8月6日から8月10日には100%へ戻るという動きがありました。1回のスクリーンショットで「出た・出なかった」を判断すると、意思決定を誤ります
AccessGEOがやっていること
AccessGEOは、御社のブランド名と想定質問を登録しておくと、ChatGPT・Gemini・Google AI Overviewsの3つに毎日質問し、言及と引用を記録して月次レポートでお届けするサービスです。
この記事で使った表は、自社向けレポートの実際の出力です。観測にかかるAPI費用は、48日・1,416観測の時点で1日あたり約$0.28でした。
自社で仕組みを組むこともできますが、毎日の実行と記録を続ける部分がいちばん続きません。そこを引き受けるサービスだとお考えください。
よくある質問
栃木のような地方でも、GEO対策は必要ですか?
必要性は業種によります。ただ、当社の48日・1,416観測では、地域名を含む質問でAIが具体的な会社名を挙げる割合は決して低くありませんでした。宇都宮市の設問では追跡8ブランドのいずれかが67.6%で登場しています。
「AIはまだ地方の会社名までは出さない」という前提は、少なくとも当社の商圏では当てはまりませんでした。
どのくらいの期間で変化が出ますか?
明確な期間はお約束できません。AI側の更新頻度も、参照元となるページのインデックス状況も一定ではないためです。
当社の実測では主要指標が8週間ほぼ横ばいで推移しており、短期間で大きく動く性質のものではないという印象です。だからこそ、変化を見るには継続的な記録が要ります。
SEOをやっていればAI検索にも出ますか?
土台としては有効です。Googleも、AI機能に表示されるための追加要件はなく従来のSEOが引き続き重要だとしています。
ただし当社の場合、検索では上位に出る設問でもAIの回答には1度も出てこないケースがありました。重なる部分と重ならない部分があると考えるのが実態に近いです。
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まとめ
栃木の中小企業がAI検索で見つけてもらうために、この記事で確認したことを整理します。
- 48日・1,416観測の実測では、自社の所在市の質問で77.5%、県名で16.9%、隣の宇都宮市で0.0%と、地域名によって露出が大きく変わった
- 0%には2種類ある。他社は出ている質問(宇都宮市=追跡ブランド67.6%)は取りにいく価値があり、誰も出ない質問は優先度が低い
- Googleは、AI機能に出るための追加要件はなく従来のSEOが引き続き有効で、llms.txtなどのAI専用ファイルは不要としている
- まずは無料で、3つのAIに商圏名を変えて1週間聞き続け、現状を記録するところから始める
- 地域名と業務内容をセットで具体的に書くこと、第三者ページでの言及を増やすことが、地方の会社にとって現実的な打ち手
Web集客の入口が検索だけだった時代は終わりつつあります。まずは自社が今どう扱われているかを、数字で把握してください。
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