AI検索対策を始めると、どれだけ手を入れても自社の名前がまったく出てこない質問に必ず当たります。弊社も自社サイトを毎日観測していますが、73日・2,167回(2026年7月4日〜9月21日)のうち、10の質問のうち6つは一度も自社名が登場しませんでした。
結論から言うと、その6つには共通点があります。地域名が入っていない、答えが社名ではない、そもそも自社が扱っていない、第三者メディアで語られていない。この4つのどれか(あるいは複数)に当てはまっていました。
この記事では、実際に測った10の質問文をそのまま公開したうえで、出る質問と出ない質問を分けているものが何かを整理します。あわせて、0%の質問に対して何を捨て、何を作り、何を待つべきかという判断の基準もお伝えします。自社で同じことを確かめる手順も最後にまとめました。
記事執筆者:認定SEOコンサルタント 三田健司
3か月測って一度も名前が出なかった質問が6つあった

弊社は自社サイト(株式会社アクセス・リンク)について、10種類の質問をChatGPT・Gemini・Google AI Overviewsの3つに毎日投げ、回答文に自社名が出るかどうかを記録しています。この記事で使う数字は、すべてその生ログを集計したものです。
73日・2,167回の観測で、10設問中6つが0.0%だった
観測期間は2026年7月4日から9月21日までの73日間、観測数は2,167回です。全体では自社名が登場したのが597回で、言及率は27.5%でした。
ただしこの27.5%という平均値は、実態をかなり隠しています。設問ごとに分けると、露出はほぼ4つの質問に集中していました。残る6つは73日間ずっと0.0%です。
しかも0.0%だった6設問は、3つのAIすべてで0でした。ChatGPTで0、Geminiで0、AI Overviewsでも0。どれか1つのAIとの相性が悪かったという話ではありません。
出た4設問の数字も並べておく
比較の土台として、名前が出た4つの数字も出しておきます。いずれも73日・2,167回の観測に含まれるものです。
| 質問 | 自社名が出た割合 |
|---|---|
| 株式会社アクセス・リンクの評判は? | 94.4%(204/216) |
| 下野市でMEO・地図対策に強い会社は? | 83.8%(181/216) |
| 下野市でおすすめのホームページ制作会社は? | 77.0%(167/217) |
| 栃木県でSEOに強いホームページ制作会社は? | 20.7%(45/217) |
| 残り6設問 | 0.0%(0/1,300) |
94.4%から0.0%まで、同じ会社について同じ期間に測っても、質問が変わればここまで結果が変わります。AI検索の露出を1つの数字で語れないのは、このためです。
出た質問と出なかった質問を、文面ごと並べて比べる
共通点を探すには、まず質問文そのものを見る必要があります。数字だけ見ていても、なぜ0%なのかは分かりません。
実際に投げている10の質問文
弊社が毎日AIに投げている10問は次のとおりです。上の4問が名前の出た質問、下の6問が73日間ずっと0.0%だった質問です。
- 【出た】株式会社アクセス・リンクの評判は?
- 【出た】下野市でMEO・地図対策に強い会社は?
- 【出た】下野市でおすすめのホームページ制作会社は?
- 【出た】栃木県でSEOに強いホームページ制作会社は?
- 【0%】宇都宮市でおすすめのホームページ制作会社は?
- 【0%】中小企業向けのホームページ制作会社のおすすめは?
- 【0%】集客できるホームページを作るならどこに依頼すべき?
- 【0%】ホームページ制作会社の選び方・比較ポイントは?
- 【0%】ホームページ制作はフリーランスと制作会社どちらがいい?
- 【0%】SEOツールのおすすめは?
並べてみると、上下で質問の作りが明確に違うことが分かります。業種はすべて同じ(ホームページ制作)なのに、結果が分かれています。
分かれ目はサイトの中身ではなく、質問の側にあった
これは重要な点なので先に書いておきます。0%の6設問について、弊社は何もしていなかったわけではありません。会社概要も実績ページも整備し、構造化データも入れています。
それでも73日間動きませんでした。自社サイトの手入れだけでは超えられない壁が、質問の側にあるというのが、3か月測って得られたいちばん大きな学びです。
指名検索では名前が出るのに「おすすめ」「比較」では出ないという現象については、以前にも詳しく書いています。あわせてご覧ください。

共通点1:質問に地域名が入っていない
6設問のうち4つは、地域名を含まない全国規模の質問でした。「中小企業向けの」「集客できるホームページを作るなら」といった聞き方です。
同じ業種でも、地域名の有無で77.0%と0.0%に割れた
「下野市でおすすめのホームページ制作会社は?」は77.0%(167/217)で名前が出ます。一方「中小企業向けのホームページ制作会社のおすすめは?」は0.0%(0/217)です。
聞いている業種は同じで、違うのは地域名の有無だけです。地域名が入ると候補は数社に絞られ、抜けるとAIは全国数万社の中から選ぶことになります。後者で名前が挙がるのは、全国的に知られたごく一部の会社です。
隣の市に変えただけでも0.0%だった
興味深いのは「宇都宮市でおすすめのホームページ制作会社は?」も0.0%(0/217)だったことです。地域名は入っていますが、弊社の拠点は下野市で、宇都宮市には事務所がありません。
拠点のある市では77.0%、車で30分ほどの隣接市では0.0%。AIは所在地の情報を相当きちんと見ているようです。地域名つきの質問でAIが何を見ているかについては、地域ビジネス向けの記事でも触れています。

共通点2:質問の答えが「社名」になっていない

2つ目の共通点は、質問の性質そのものです。0%の6設問のうち2つは、そもそも答えに社名が要りません。
「選び方」「どちらがいい」はAIが基準を答える質問
「ホームページ制作会社の選び方・比較ポイントは?」に対してAIが返すのは、実績を確認する、見積もりの内訳を見る、公開後の保守範囲を確かめる、といった判断基準の列挙です。ここに特定の社名を入れる必然性がありません。
「フリーランスと制作会社どちらがいい?」も同じ構造です。回答の型が「基準の説明」である以上、いくら自社が優れていても登場する枠がありません。
LANYが2025年に公開した15万キーワードの調査でも、AI Overviewsは情報探索系のクエリで表示されやすく、購入や申し込みが目的のクエリでは表示されにくいという傾向が報告されています。質問の型が結果を左右するのは、Google側の仕組みから見ても自然なことだと考えられます。
名前が出る質問は「誰に頼むか」を聞いている
逆に、名前が出た4設問はいずれも「どの会社か」を答えさせる質問でした。評判は? 強い会社は? おすすめの制作会社は? いずれも答えとして社名が求められます。
自社の設問を作るときは、ここを意識して分けると測る意味が出ます。基準を聞く質問と、会社を聞く質問は、同じ「露出率」という言葉で並べてはいけません。
共通点3:自社が提供していないカテゴリを聞いている
3つ目は単純な話です。「SEOツールのおすすめは?」という質問が0.0%なのは、弊社がSEOツールを販売していないからです。
当たり前に見えて、設問設計ではよく起きる
書いてしまえば当然ですが、この種の設問は実務でよく紛れ込みます。関連するキーワードの検索ボリュームが大きいと、つい測りたくなるためです。
弊社はあえてこの設問を残しています。「提供していないものは、何をしても出ない」という基準線を持っておくためです。改善しても動かない設問があると分かっていれば、他の0%を見たときに過剰に焦らずに済みます。
隣接カテゴリへの越境は、ページを足せば済む話ではない
「扱っていないなら、扱うページを作ればいいのでは」と考えたくなりますが、それは事業側の判断です。実際に提供していない商品について解説ページだけ作っても、問い合わせに応えられません。
AI検索の露出のためにサービス構成を変えるのは順番が逆です。事業として扱うと決めたものを、結果として測る。この順序は崩さないほうがよいと考えています。
共通点4:第三者メディアでの言及がない

4つ目が、いちばん根が深い共通点です。全国区の「おすすめ」系の質問で名前が挙がる会社には、自社サイト以外の場所に評価の蓄積があります。
「引用されること」と「推奨されること」は別物
LANYが2025年12月に公開した調査(15万8,542キーワード対象)には、示唆的な数字があります。ある美容クリニックの公式サイトはAI Overviewsの出典として52.6%のキーワードで引用されていたのに、回答本文でブランド名が推奨されたのは1.35%にとどまったという結果です。
一方、金融カテゴリでブランド名が頻繁に推奨されていたケースでは、引用元の85.3%が公式サイト以外、つまり比較サイトやレビューメディアでした。複数の第三者が同じことを言っている状態をAIが確認できるかどうかが、推奨の分かれ目になっているという読み方ができます。
これは弊社の0%設問の状況とも整合します。弊社について書いている第三者メディアは、現時点ではほとんどありません。
自社サイトで「当社がおすすめ」と書いても効きにくい
自社サイトが自社を推すのは当然なので、AIから見れば根拠として弱くなります。競合他社が自社を推すこともありません。
ここで注意したいのは、だからといって言及を買い集める方向に走らないことです。Googleは2026年5月に公開した生成AI向けの公式ガイドで、不自然な「メンション」を追い求めることは見かけほど役に立たない、と明記しています。増やすべきなのは、事例公開や取材対応、業界団体での活動といった、実態のともなう接点のほうです。
0%の質問に、捨てる・作る・待つで向き合う
4つの共通点が分かると、0%の設問を一律に扱う必要がなくなります。弊社では次の3つに仕分けています。
捨てる:商圏外と、提供していないカテゴリ
拠点のない地域と、扱っていない商品。この2つは、AI検索側の施策で動かせる範囲を超えています。
ただし完全に消すのではなく、基準線として測り続けるのは有効です。他の設問が動いたときに、「全体が変わったのか、狙った設問だけが変わったのか」を見分けられます。
作る:一次情報と、第三者との接点
Googleの公式ガイドは、生成AI機能で成果を出す近道として、一般論の焼き直しではない独自の内容を挙げています。自社で実際に測った数字、実際に手を動かした事例、自社でしか出せない価格や条件の説明などがこれに当たります。
そのうえで、外部に語られる状態をつくる。取材を受ける、事例を公開して取引先にも共有してもらう、地域の団体や媒体との接点を増やす。時間はかかりますが、全国区の設問に手が届く可能性があるのはこのルートです。
待つ:動きの兆しがある設問は、判断を急がない
弊社の「栃木県でSEOに強いホームページ制作会社は?」は、73日通算で20.7%(45/217)です。数字だけ見れば低い部類ですが、月別に見ると7月17.9%(14/78)、8月17.7%(14/79)、9月28.3%(17/60)と、直近で上がってきています。
1週間だけ見て結論を出していたら、この動きは見えませんでした。AIの回答は日によって揺れるため、判断には最低でも数週間分の記録が要ります。低い数字がすべて「見込みなし」ではない、ということです。
自社で同じことを確かめる手順

ここまでの内容は、ツールがなくても自社で確かめられます。手作業でも3か月は十分に回せる分量です。
手順1:10問を、4つの型に分けて用意する
指名(社名そのもの)、地域+業種、全国+業種、比較・選び方。この4つの型で質問を作ると、0%だったときに理由の見当がつきます。
お客様が実際に言いそうな日本語で書くこともポイントです。検索キーワードのような単語の羅列ではなく、話し言葉に近い文章にします。
手順2:週1回・同じ曜日に、3つのAIで聞く
ChatGPT、Gemini、Google検索のAIによる概要の3つで、同じ質問を投げます。回答は毎回変わるので、その日の結果をスプレッドシートに残します。
記録するのは「自社名が回答文に出たか(1か0か)」と、出た場合の書かれ方です。週1回・10問・3AIで30件、3か月で約390件になります。傾向を見るには十分な量です。
手順3:数え方を「自社基準」で固定する
ここを間違えると数字が大きく狂います。「何らかの会社名が出た」ではなく「自社名が出た」で数えてください。
弊社のデータでも、競合を含めた基準と自社のみの基準では、同じ設問で倍以上の差が出ることがあります。測る目的は自社の露出を知ることなので、基準は自社名の有無に固定します。
何を指標として追い、何を追わないかについては、KPIの記事で詳しく整理しています。
よくある質問
0%の質問は、測るのをやめてもいいですか?
商圏外や未提供カテゴリの設問であれば、優先度を下げて構いません。ただし数問は残しておくことをおすすめします。全体が動いたのか、狙った設問だけが動いたのかを区別するための基準線になるためです。
どのくらい続ければ、判断できますか?
弊社の実感では、最低3か月です。弊社の県域の設問も、7月と8月はほぼ横ばいで、9月になって動きが見えました。1〜2週間の結果は日々の揺れに埋もれてしまい、判断材料になりにくいと考えています。
全国区の「おすすめ」で名前を出すのは無理ということですか?
無理とは言い切れませんが、地域名つきの質問に比べてかなり長い時間がかかると見ています。第三者メディアでの言及が積み上がるまでは、AIが根拠を確認できないためです。順番としては、まず地域や得意分野など候補が絞られる質問で確実に出る状態を作り、そこから広げるほうが現実的だと考えています。
関連記事


まとめ
73日・2,167回(2026年7月4日〜9月21日)の観測で、10設問のうち6つは一度も自社名が出ませんでした。その6つに共通していたのは、地域名が入っていない、答えが社名ではない、自社が扱っていない、第三者に語られていない、という4点です。
0%が続いても、サイトの作りが悪いとは限りません。質問の型と自社の立ち位置が噛み合っていないだけ、ということが実際にあります。
まずは自社の質問を4つの型に分けて、3か月記録してみてください。どこに手を入れれば動き、どこは動かないのかが見えてきます。判断の材料は、自社で測った記録の中にあります。
御社がどう紹介されているか、無料で診断
3つのAIに実際に質問し、御社と競合の出方をレポートにしてお送りします。
費用はかかりません。営業のご連絡もいたしません。


コメント